vol.5 建築設計事務所への就職活動ってどんなもの?

「就職活動」といえば、エントリーシートや履歴書を送り、面接を何度かして採用、というのが一般的な流れですが、設計事務所、特に建築デザインの設計事務所(意匠設計事務所)では少し違うところがあります。
今回は建築デザインに特化した設計事務所、いわゆるアトリエ設計事務所への就職活動の特徴や流れをみてみましょう。
募集は4月新卒とは限らない!?
まず、一般的な企業とアトリエ設計事務所の就職活動で大きく違うのが就職活動の「時期」です。
新卒学生の一般的な企業への就職活動は、翌年4月から働くことを目標に、前年から様々な企業にエントリーして活動を始めます。
2018年卒の採用活動は2017年3月から始まり、在学中に就職活動、採用試験、内定までが決まるというスケジュールですね。
しかし、アトリエ設計事務所の場合、翌年4月のための採用活動を1年も前から行うところはほとんどありません。
なぜなら、アトリエ設計事務所は、毎年4月にコンスタントに採用を行っているわけではなくて、
「忙しくなった!」「人が足りない!」と、人員が必要になった時に募集を行うからです。
募集する時期は事務所ごとに様々です。
雑誌やネットで気になる設計事務所を見つけたら、その事務所がスタッフの募集を行っているか、HPなどでチェックしてみましょう。
設計事務所のスタッフ募集はどこで知ることができるの?
「この設計事務所に行きたい!」という明確な目標が最初からあればいいのですが、そうでない人の方が多いでしょう。
では、設計事務所の採用情報がまとまってみられるような場所はあるのでしょうか?
一般的な企業の場合、沢山の就職情報サイトがあり、そこである程度希望を絞ると自分に合いそうな企業の採用情報を知ることができます。
しかし、アトリエ設計事務所の場合、そういったサイトに採用情報を掲載することは稀です。建築系の就職情報サイトもありますが、積極的に掲載するというところは割と少ないというのが事実です。
では、設計事務所では人材が必要になった時、どのように募集を行っているのでしょうか。
アトリエ設計事務所というのは、規模が小さいことが多いのですが、その代わり事務所同士の繋がりが強いのが特徴です。
事務所のボスである建築家同士が同じ学校の出身だったり、同じ設計事務所で働いていたことがあったり、仕事上で知り合いだったり・・・
そういった横のつながりから、「いまスタッフを募集しているんだけどいい人いない?」と他の建築家からの紹介で面接をするといったことが多く行われています。
知り合いの紹介なら、どんな人か事前にわかるので採用する方も安心ですよね。
このことから建築家の世界では、少しでも顔を知られていることで就職につながることがよくわかります。
でも、普通の人はそんな人脈はないのが当たり前。
その場合、一番早いのが設計事務所のオープンデスク(※1)やアルバイト、オープンハウス(※2)を利用して顔を覚えてもらうこと。
また、これから建築設計を学ぶのであれば、建築家の世界との繋がりや、卒業生が建築家の世界へ沢山輩出されていることを基準にする、という方法があります。
もちろん、そこで良い印象を残すことができなければ意味がありませんので、よく実務の勉強をすることを忘れないでくださいね。
※1オープンデスクとは・・・設計事務所の仕事を一定期間経験できる制度
※2オープンハウスとは・・・完成した建物を施主に引き渡す前に、一般に公開して建築家が自分の設計を見てもらうこと
履歴書よりも大事なもの
次に、採用の流れです。
書類選考→面接→採用という基本的な流れは一般的なものと大体同じですが、設計事務所への就職活動では履歴書と同じくらい大事なツールがあります。それが「ポートフォリオ」です。
ポートフォリオとは、作品集のこと。
建築デザインに特化したアトリエ設計事務所では、設計能力の高い人材が必要されています。
(詳しくはこちらの記事で→設計事務所に就職するには建築士の資格が必要?)
そのため、実際にどれだけ実務をわかっているかという知識の確認、そして、いずれ担当物件を持った時にどのような設計ができるのかを見るため、作品の内容や、どんなことを考えている人物なのかをポートフォリオで確認して、採用するかを判断しています。
ポートフォリオを書類選考のためにつかう事務所、ポートフォリオを持参して面接を兼ねて見せる事務所など、採用の細かい流れは設計事務所によって様々ですが、いずれにしても、自分の能力を最大限にアピールするための大切なツールです。
アトリエ設計事務所で建築デザインの仕事をしてみたいと思ったら、まずは自分の作品を作ってポートフォリオを作成することが就職活動の第一歩になります。
ポートフォリオってどんなもの?
デザインファームのパンフレットと一緒に、未経験からはじめた卒業生のポートフォリオを
お送りしています。実際に就職活動時にどんなポートフォリオをつくるのか、見てみたい方はぜひ資料をご請求ください。(資料のご請求は無料、ご請求後に営業のお電話をすることはございませんのでご安心ください。)

アトリエ設計事務所への就職活動の特徴、お判りいただけましたでしょうか。
一般企業の場合、学校で学びながら就職活動も行わなければいけないですが、アトリエ設計事務所の場合は、たっぷり学校で学んで、ポートフォリオという自分の武器を持ってから就職活動をすることができます。
まずは就職活動に向けてポートフォリオをしっかり作りこむことが大切です。