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特集・建築家になるには

連載コラム:04 好きなのは、「たね」を持っているから

「明るくて開放感のある空間が好き!」「ほの暗い静かな部屋がいいな。」「吹き抜けを見るとワクワクする!」「ガラス張り、カッコイイ!」「室内でも、雨や風の音を感じたい。」など、好きな景色や建物、居心地良く感じる空間はひとりひとり異なります。

建築に限りませんが、感動するものやこと、共感する、憧れる、こだわり、逆に嫌い等、人によって全く違い、それが「個性」とも言えますね。

なぜそれが好きでワクワクするのか、なぜそんなにこだわるのか、なぜ「こんな空間を創りたい!」「こんな風景を実現したい!」と思うのか、それはすでにあなたが内側に、その「たね」を持っているからなんです。

 

人間は自分の中に「たね」として持っているものに反応します。持っていなければ、見たり聞いたりその情報に触れたとしても「ふーん。」で終わってしまい、その後すぐに忘れてしまいます。同じ映画を観ても同じアートに触れても同じ建築空間を体験しても、感動したり嫌いだったり又は興味がない・・・など反応が人それぞれなのは、持っている「たね」が違うからなんですね。

たねを持っている

デザインファームでは創立時から、その人の中にある「たね」を大事にしています。「たね」はその人のものなので、芽を出し育てていくまで、どんな花なのかどんな果実となるのかはその人にしかわかりません。

そして「たね」はひとりひとり違うので、例えば同じ設計課題でも、ある人には「この窓、もっと大きくしてみたら?」と言うのに、別の人には「この窓、もっと小さくしてみたら?」と、全く逆のフィードバックをするのも日常茶飯事です。私たち学校側の役割は、その「たね」が発芽し成長しやすいように環境を整えること、と言ってもいいのかもしれません。

「たね」は自覚することで次第に引き出され成長していきます。また「自覚する=アンテナを立てる」ことで、周囲から必要な情報がどんどん集まってきます。

もしあなたが「吹き抜けを見るとワクワクする!」のなら、まずはそれを自覚し自分の作品に取り入れてみる。
すると心地よかった吹き抜けの記憶を思い出したり、雑誌の写真が目に留まったり、クラスメイトが作った吹き抜けが気になったりと、様々な情報がそのアンテナに引っ掛かってきます。
それらが刺激となり、あなたの「吹き抜け空間」はますます豊かに、さらにワクワクするものになっていくでしょう。「好き」という気持ちで外に出てくるあなたの「たね」を、ぜひ大切に育ててください。

入学前によく聞かれる質問に「建築は未経験なんですが・・・」や「全くの初心者ですけど、大丈夫ですか?」などがあります。でも誰もが、「住み手としての経験、使い手としての経験を積んでいて、ゼロからのスタートではない」とデザインファームでは考えています。

ものづくりは「誰に提供したいか」「誰に受け取ってほしいか」が、とても大切です。あなたが創った建築を受け取ってくれる相手の目線や気持ちを、あなたはすでに理解しているし共感の土壌を持っているということですね。

これまでの住み手や使い手としての経験に、デザインファームでの学びや刺激が加わって、あなたの内側にある「たね」が成長しやがて「建築」という果実になるのを、私たちは楽しみにしています。

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この記事を書いた人

牧野めぐみ 「次の時代」に新しい建築を創る人たちに向けて、「建築の世界で、自分の強みを活かして生きていく」をテーマに、コラムとして綴っています。

1964年、静岡県生まれ。
デザインファーム建築設計スタジオ創設時から、事務局で裏方として運営に関わり、自身も設計事務所での勤務〜独立経験がある。
実践で使えるマーケティングと、学問ではない普遍的な心理学が専門。「自分の作りたい建築を作り続ける」×「クライアントに喜んでもらう」×「豊かな日常」を可能にするために、「ものづくりをする人こそ、マーケティングを活用してほしい」と提唱している。デザインファームでは、自分らしい設計という観点からのキャリア戦略の授業を担当。プロの建築家を対象としたマーケティングセミナーの実績もある。才能やアイデンティティにフォーカスしたコンサルティングや、物語の創作、演劇などの活動も行っている。
個人ブログ:日本で一番ゆる〜いマーケティングx心の仕組み

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