連載コラム:02 「得意」の見つけ方
自分が本当に「得意」なこととは…
「好き」を仕事にするためには、「好き」だけでなく「得意」である必要があります。
「建築」という専門分野についてはこれから学ぶとして、それ以外(自分の性格や傾向など様々な資質)の部分で、果たして自分に適性があるんだろうか?そもそも自分は、いったい何が「得意」なんだろう?新しい世界へチャレンジするとき、そんな自分の「資質」について考えることがあると思います。
「得意」なことを見つけようとするとき、人はそれまで一生懸命に積み上げてきて成果を出したことや頑張って取得したスキルの方についフォーカスしがちなのですが、それって実はちょっと違うんですね。
人には誰しも、「苦手」なことと「得意」なことがあります。
「苦手」なことは、どんなに頑張ってもなかなか上手くできないし、それをすること自体がストレスになります。また、頑張ればそれなりに、そこそこ普通レベルまでできるようになることもあります。
一方で「得意」というのは、頑張らなくても簡単にできてしまって効率が良いこと。
どのくらい簡単かというと、「息を吸って吐く」くらい。それくらい簡単に当たり前にできることが、あなたの「得意」なことなんです。当たり前すぎて気付きにくいため、その「得意」は見つけるのがちょっと(いや、かなり)難しいんです。
ということで、今回はその「得意」を見つける方法をご紹介しましょう。
成果の軸:得意の見つけ方
まるで呼吸のようにいとも簡単に出来てしまうこと、努力も工夫も何もなしで出来ることを探します。
あなたのこれまでの経験を振り返り、「上手くいったこと」や「ほめられたこと」「感謝されたこと」を拾い出してみてください。
特に、「頑張ったわけではない」のに、「大したことしてない」のに、「普通にやっただけ」なのに、なぜかほめられたり、上手くできてしまって感謝されたことというのがポイントです。
それは例えば、子どもの頃、普通にやっただけなのに先生にほめられて「何で?」と思ったこととか。あるいは、友達が困っていたので、ちょっと手伝ったらやたらと感謝されてびっくりしたとか。ふと思いついてやってみたら、なぜかスムーズに進んでしまったことなど。
記憶をたどると、そういえば…といくつか思い当たるのではないでしょうか。
大したことしてない(と、本人は思っている)のになぜかほめられたり感謝されるのは、それが他の人にはなかなかできないからなんですね。
●他人にはなかなかできないけど、自分は頑張らなくても出来てしまう。
●他人にはなかなかできないけど、自分は当たり前に出来てしまう。
それこそが、あなた自身の最大の「得意」であり、やがてそれはあなたの「強み」となります。
「もの作り」は専門分野の知識や技術だけで仕事が成立するのではなく、その人の持つ様々な要素(資質、建築以外のスキルや経験)が掛け合わさって「オリジナル」が生み出され、さらに多くの人の手を借りて「建築」は出来上がります。
どんな要素、どんな資質を掛け合わせるかはその人次第。人の数だけ正解がある、とも言えるでしょう。
これまで生きてきた中に、すでにあなたの「得意」「強み」は存在しています。「建築設計」の世界で生きていく上で、かけがえのない宝でもあり武器にもなる、あなたの「得意」を、ぜひ見つけてくださいね。