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経験者クラスの授業紹介「集客のヒント」編

資格はある技術もある けれど設計に自信がない

「資格は持っているけれど、技術もわかっているけれど、設計には自信がない」
そんな建築関係の経験者を対象としたクラスが、隔週日曜日に開講している「意匠設計力養成スタジオ」です。

基礎や技術面(構造、設備、法規など)を省略し「プランニング」だけを集中して学ぶため、

・施工や販売の分野から意匠系に転職したい人
・建築士の資格を持っているけど、どういう間取りが「良いプラン」なのかわからない人
・設計施工の会社を経営していて、意匠を強化したい人
・独立をめざして準備している人
・家業(設計事務所、工務店)を継ぐ予定があって、さらに発展させるためにデザインで差別化したい人

という方々が多く、遠方から新幹線や飛行機で通う方も珍しくない、希少なクラスです。

そんなユニークなクラスでは、授業の冒頭に毎回1時間程度の講義があります。
リアルに使える設計手法はもちろん、世界の建築から設計のヒントを探る解説や、集客やブランディングに関する講義まで、その内容は多岐にわたります。

今回はその中から、独立準備中や既に独立した方にとって重要な「集客のヒント」について、その一部をご紹介。
全3回の講義では、マーケティングの「基本の考え方」と、それを踏まえた上で「自分の場合は?」を考えるヒントが得られます。知識を得るだけでなく腑に落とせるよういくつもワークを取り入れ、ワークショップのような形で進めています。

 

◎集客のヒント1. クライアント候補の心理
◎集客のヒント2. 具体的な集客の流れを作る方法
◎集客のヒント3. 差別化とブランディング

 

集客のヒント1. クライアント候補の心理

どうすれば下請けでなく新規の仕事を取れるのか、どうすれば紹介サイトに頼らずにクライアントから選んでもらえるのか・・・そのためにはクライアント候補の心理(心の動き)を知る必要があります。
消費者の購買までの心理を示したものには有名な「アイドマ理論」がありますが、最後のAction(購買行動)で終わってしまうため、SNS全盛の現代では不十分と言えます。

 

Action(購買行動)の後、もし満足しなかったら、ネガティブなクチコミが出回ってしまう

Action(購買行動)の後、もし満足しなかったら、ネガティブなクチコミが出回ってしまう

 

第1回の講義では「マインドフロー」を使い、消費者が認知してから購入しファンになるまでのプロセスを解説。さらにそれを「建築設計」に当てはめ、クライアント候補の心理がどのように変化していくのか、なぜ途中で止まってしまうのか等について考えていきます。

 

お客様が、知って買って使ってファンになるプロセス

お客様が、知って買って使ってファンになるプロセス

 

 

建築設計に当てはめた場合、クライアント(候補)の心の動き

建築設計に当てはめた場合、クライアント(候補)の心の動き

 

提供する商品やサービスに自信がある人ほど「もっと質を高めよう!そうすれば選んでもらえる。」と思いがちで、それを届けることにあまり意識が向かない傾向があります。ですが、「良いかどうか」「美味しいかどうか」は実際に購入し利用してからでないとわかりません。認知段階から購買段階までは、提供するモノの質ではなく伝え方の問題なのです。
相手の心理についてワークを使って体感し、またどのようにアピールしたら伝わりやすいのか、どんなメッセージが響くのか、見落としがちな重要ポイントについても身近な成功事例と失敗事例を交えてお伝えします。

 

購買までは美味しいかどうかではなく、「美味しそう」と思ってもらえるかどうか(レストランの事例でワーク)

購買までは美味しいかどうかではなく、「美味しそう」と思ってもらえるかどうか(レストランの事例でワーク)

 

 

集客のヒント2. 具体的な集客の流れを作る方法

クライアント候補の心理を理解したら、次に大事なのはその流れに沿った具体的な施策です。
認知してもらったらすぐに設計契約が取れる!・・・なんてことはまずありません。
具体的な施策については、誰もが知っている事例を挙げながら、「フロントエンド」や「バックエンド」といったマーケティングの専門用語を使わずにわかりやすく解説。クライアント候補に少しずつ近づいてきてもらう(興味を深めてもらう)、その具体的な方法について考えます。また「設計」という目に見えないサービスを提供する建築家の場合はどんな施策が効果的なのか、具体的な方法を注意点と共に紹介しています。

「売りやすいもの」を「フロントエンド」、「売りたいもの」を「バックエンド」と呼ぶことも多い

「売りやすいもの」を「フロントエンド」、「売りたいもの」を「バックエンド」と呼ぶことも多い

 

人間は「損をしたくない」意識が強いため、高価なものをいきなり買うことはない

人間は「損をしたくない」意識が強いため、高価なものをいきなり買うことはない

 

ゴールの売りたい「設計契約」に向け、売りやすいものとあげるものを考える

ゴールの売りたい「設計契約」に向け、売りやすいものとあげるものを考える

 

 

建築家(設計事務所)の仕事は、アーティストでありサービス業

建築家(設計事務所)の仕事は、アーティストでありサービス業

 

 

集客のヒント3. 差別化とブランディング

個人ビジネスの根幹は、「強み」を活かした戦略です。戦略を持たず日々の仕事をこなすだけでは、紹介サイトやマッチングサイトに頼ることになり、多くの競合と共にネット上に埋もれてしまいます。
理想的なクライアントから選んでもらうには、自分にしかできない「強み」を活かした一貫性のある戦略が必要です。戦略を作るための考え方の他、「強み」や理想的なクライアントの見つけ方、誤解しやすい「強み」の定義についても参考事例を使って解説します。

 

差別化のポイントは「強み」であり、それはクライアントに提供する「価値」でもある

差別化のポイントは「強み」であり、それはクライアントに提供する「価値」でもある

 

「弱み」だと思っていることも、「強み」に変えることができる

「弱み」だと思っていることも、「強み」に変えることができる

 

またよく言われる「差別化」には、大きく分けて3種類のやり方があります。ワークではその3種類を体感し、「建築設計」に当てはめた3つの差別化軸についての理解を深めます。
中でも、多くの建築家や設計事務所が該当する「密着軸」には、「密着軸」ならではの考え方とやり方があります。参考事例を見ながら具体的な戦略の作り方について、そして勘違いしやすい「ブランディング」についても解説します。

 

多くの建築家、設計事務所は「密着軸」

多くの建築家、設計事務所は「密着軸」

 

密着軸では、お客様以上にお客様のことを知っている必要がある

密着軸では、お客様以上にお客様のことを知っている必要がある

 

「ブランディング」を勘違いしている人はとても多い

「ブランディング」を勘違いしている人はとても多い

 

 

お客様は「モノ」ではなく、それがもたらす「価値」を買ってくれる

マーケティングの有名な言葉に、「ドリルを買いに来た人が本当にほしいのは、ドリルではなく穴である」というものがあります。お客様はドリル(モノ)がほしいのではなく、ドリルが開ける穴(価値)がほしい、という意味ですね。自分が提供する建築は、理想的なクライアントにとってどんな価値があるのか、どんな嬉しさをもたらすのか、それが見えてくると一貫性のある戦略を作ることができます。

 

自分が提供する「価値」は、自分にしかできない相手への貢献

自分が提供する「価値」は、自分にしかできない相手への貢献

 

「集客のヒント」という切り口の講義ですが集客だけでなく生き方にも通じる考え方なので、自分に当てはめ活用すると、自分の「強み」を活かして好きな建築を創って提供し、建築の世界で生きることができます。
きっと「では、自分の場合は?」を考え、具体的な戦略を作るきっかけとなるはずです。

 

意匠設計力養成スタジオ