今回も夏休みに向けて、建築旅行におすすめの建物やスポットをご紹介します。
見学のポイントもあわせてぜひ夏の建築旅行の参考にしてみてください!
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今回の旅のテーマは「美術館建築」。
展示の内容や美術館ごとの特徴、美術品と建築の関係に注目して見学してみましょう。
建築家ごとに違う美術館に対する考えなども考察してみると面白いですね。
1・八ヶ岳美術館
最初に紹介するのは村野藤吾さん設計の八ヶ岳美術館。
彫刻家・清水多嘉示氏の作品を中心にした展示がされている美術館です。
ここは一人の彫刻家を見せる形式の美術館。展示物への優しさが感じられます。
【作品情報】
八ヶ岳美術館
設計:村野藤吾
住所:長野県諏訪郡原村17217-1611
HP:https://www.vill.hara.lg.jp/sightseeing/facility/61036.html
2・長野県信濃美術館 東山魁夷館(2019/10/5リニューアルオープン)
※リニューアル工事中のため2019/10/4までは休館中
こちらは画家・東山魁夷氏の作品を中心とした美術館で、建築家・谷口吉生さんの設計です。
上野の東京国立博物館法隆寺宝物館、香川県の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館など数々の美術館建築を手がける谷口さんの建築とあって、見逃せない建築です。
谷口建築といえば見事な空間のシークエンス(移動にともなう景色の変化)が見所です。
この東山魁夷館も、東山魁夷の世界観をさらに際立たせる素晴らしいシークエンスを体験できます。
「シークエンス」という言葉がピンとこない方も、この建築を体験するとその意味がわかるようになると思います。
リニューアル工事中ということでこの夏の間は中に入れないのが残念!
夏休みには間に合わないかもしれませんが、秋以降にリニューアル後の姿をぜひご覧になってみてください。
【作品情報】
長野県信濃美術館 東山魁夷館
設計:谷口建築設計事務所
住所:長野県長野市箱清水1-4-4(善光寺隣)
HP:http://www.npsam.com/
2・小海町高原美術館
安藤忠雄さん設計の美術館です。
安藤さんといえばコンクリート建築。この美術館もコンクリートが印象的ですが、ここの見所は450mmほどあるという壁の厚さです。構造的にはもっと薄くできるはずですが、あえてこの厚さにして重厚な印象を作り出したという部分に注目です。
【作品情報】
小海町高原美術館
設計:安藤忠雄建築研究所
住所:長野県南佐久郡小海町豊里5918-2
HP:http://www.koumi-town.jp/museum/
3・安曇野ちひろ美術館
内藤廣さん設計のいわさきちひろ美術館。
遠くの山と連動したファサードなど、安曇野に調和したデザインが見所です。
八ヶ岳美術館や東山魁夷館と同じく、一人の美術家のための美術館ということにも注目してみてください。内藤さんといわさきちひろさんとの関係性なども調べてみるとこの建築の背景が見えてくるかもしれませんね。
【作品情報】
安曇野ちひろ美術館
設計:内藤廣建築設計事務所
住所:長野県北安曇野郡松川村西原3358-24
HP:https://chihiro.jp/azumino/
4・松本市美術館
最後は宮本忠長さん設計の松本市美術館です。
長野出身、小布施町の街並みづくりも手がけるなど、長野と縁の深い宮本さんの作品で、日本芸術院賞を受賞しました。
シークエンスが見所だった東山魁夷館と対照的に、ピンポイントの美しさが特徴的です。
【作品情報】
松本市美術館
設計:宮本忠長建築設計事務所
住所:長野県松本市中央4-2-22
HP:http://matsumoto-artmuse.jp/
いかがでしたか?
美術館それぞれの特徴に対して建築家たちがどのような空間でそれに応えたのか。展示品をどのように見せるのか、周辺環境や美術家との関係などをあわせて比較、考察してみるとおもしろいと思います。
一部今年の夏に見学できない建築もありましたが、ぜひ今後の建築旅行計画に役立ててみてください!
(文・田中いづみ)
※お出かけの際は、開館日など各施設の詳細を確認してからの訪問をおすすめします。
※記事の内容は執筆当時のものです。施設の詳細は変更される場合があります。