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夏休みにおすすめの建築旅行 -栃木編-

(旧)イタリア大使館別荘

もうすぐ夏休み!夏の旅行の計画はもうお済みですか?
まだ計画中の方のために、建築旅行におすすめの建物やスポットをいくつかご紹介します。
今回は都内からも行きやすい栃木県の建築をピックアップ。建築ってどこをみればいいの?という方のために、見学のポイントもあわせて紹介します!

建築旅行を計画する際のポイントとして、ただ見たい建築を見にいくだけではなくてテーマを持って見学先を考えてみるのがデザインファームのおすすめの見方です。
今回の旅のテーマは「日本的な建築って?を考える旅」です。

では建物を紹介しながらテーマの説明もしていきます!

 

1・那珂川町馬頭広重美術館(旧 馬頭広重美術館)

那珂川町馬頭広重美術館(旧 馬頭広重美術館)

まずは隈研吾さんが設計した馬頭広重美術館。
杉板のルーバーでできた大屋根が印象的な建築です。大きな屋根と建物全体を杉板のルーバーが囲んでいます。

ルーバーというのは細長い板を隙間をあけて平行に並べた材料のこと。隙間があるので風や雨が通ります。(屋根は一部ガラスで覆われている部分もありますが。)雨や風が通るので建築的には外部なのですが、ルーバーで囲われた空間にいるとそこは内部のように感じます。

那珂川町馬頭広重美術館(旧 馬頭広重美術館)

そして、ルーバーが作り出す軒空間。素敵な空間ですよね。
この建物を見学するときのポイントは、「日本人が作る日本的な空間」です。この建物に身を置いて感じる「和」は、日本人の作り出した和の空間です。
どこがそう感じさせるポイントなのか、考えながら見学してみてください。

 

【作品情報】
那珂川町馬頭広重美術館(旧 馬頭広重美術館)
設計:隈研吾建築都市設計事務所
構造:青木繁研究室
住所:栃木県那須郡那珂川町馬116-9
HP:http://www.hiroshige.bato.tochigi.jp/

 

2・那須・芦野 石の美術館 STONE PLAZA

那須・芦野 石の美術館 STONE PLAZA

こちらも隈研吾さんの作品です。
先ほどの馬頭広重美術館から車で1時間ほどなので、こちらもぜひ見学してみてください。
ここは馬頭広重の杉板の建築とはガラッと変わって「石」をテーマにした建築です。素材が違っても共通するのは「隙間」。こちらは重厚な石の壁に隙間を作って光を内部に取り入れています。
同じ建築家が設計した2つの建築を通して、壁の在り方を考えられるのがポイントです。

那須・芦野 石の美術館 STONE PLAZA

【作品情報】
那須・芦野 石の美術館 STONE PLAZA
設計:隈研吾建築都市設計事務所
構造:中田捷夫研究室
住所:栃木県那須郡那須町芦野仲町2717-5
HP:http://www.hiroshige.bato.tochigi.jp/

 

2・那須歴史探訪館

那須歴史探訪館

またまた隈研吾さんの作品です。
STONE PLAZAから徒歩でいけますのでここまできたら行かなきゃ損です。
平屋に大きめの屋根という全体のフォルムは馬頭広重と少し似ていますが、使う素材や内と外の分け方の違いに注目です。

 

【作品情報】
那須歴史探訪館
設計:隈研吾建築都市設計事務所
構造:中田捷夫研究室
住所:栃木県那須郡那那須町大字芦野2893
HP:http://www.hiroshige.bato.tochigi.jp/

 

3・(旧)メルパルク日光霧降

(旧)メルパルク日光霧降

お次はここ、(旧)メルパルク日光霧降。
ロバート・ヴェンチューリというアメリカの建築家が手がけた宿泊施設です。
現在も大江戸温泉物語 日光霧降として宿泊ができますので、この日はここに泊まれたらいいですね。

この建築のポイントは、室内の装飾。
電柱や日本の商店街を思わせる花の飾りが、看板のようなデザインであしらわれています。
香港を訪れると、通りに飛び出している看板の多さに驚いたりしますが、海外の人から見ると日本の商店街や通りも同じように印象的なのでしょう。
それを強調してデザインしたヴェンチューリの設計を見ることで、日本らしさって何か、を考えるきっかけになるのではないでしょうか。

【作品情報】
(旧)メルパルク日光霧降
設計:ロバート・ヴェンチューリ、スコットブラウンアソシエイツ+丸の内清和千代田JV
住所:栃木県日光市所野1535-1
HP:http://www.hiroshige.bato.tochigi.jp/

 

4・(旧)イタリア大使館別荘

(旧)イタリア大使館別荘

こちらは日本の建築に大きな影響を与えた、アントニン・レーモンドの作品。
イタリアの大使が利用した利用していたという別荘です。

デザインファームの合宿でも昔からよく訪れている建築ですが、一番のポイントは写真にもある広縁です。ここからは中禅寺湖が眺められてとても居心地がいいんです。ずーっとここに座って外を眺めていられます。
そんな居心地の良い空間なのですが、これも外国人の設計した建築です。人気の広縁は、日本の縁側を感じさせるような気もしますが、やっぱりどこか違うと感じるのです。

また、広縁の内側にある居間にも注目してみてください。
こちらもところどころに日本家屋を感じさせる設えが施されているのですが、やぱりどこか日本の空間とは違うと感じます。

この違和感がなぜなのか、どこからきているのか、これまで見てきた隈さんの建築と比較しながら考えてみるのもいいかもしれません。

 

【作品情報】
(旧)イタリア大使館別荘
設計:アントニン・レーモンド
住所:栃木県日光市 中宮祠2484
HP:http://www.hiroshige.bato.tochigi.jp/

 

 

いかがでしたか?
実際に建築を訪れて空間体験をすると、写真で見るのとは違う新しい発見があるものです。見学と同時に色々と考察してみると面白いですよ!
ぜひ夏休みの建築旅行の参考にしてみてください。

(文・田中いづみ)

※お出かけの際は、開館日など各施設の詳細を確認してからの訪問をおすすめします。
※記事の内容は執筆当時のものです。施設の詳細は変更される場合があります。

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