今年も、昼間部2年生最後の課題、卒業設計の発表講評会が開催されました。
先週の内部発表会でも緊張感が伝わってきましたが、今回はさらに講評する先生も増えて、緊張が増す中発表が始まりました。
卒業設計のテーマはここ数年、学校から与えられる「200世帯200年住み継ぐ集合住宅」というテーマを選ぶか、自分で設定したテーマで自由に設計するかの2パターンで、2年生の2学期頃からじっくりと取り組んでいます。
毎年様々なテーマが飛び出しますが、今年は集合住宅のほか、生まれ育った土地の自然を活かして地元の活性化を狙った設計をした方もいました。
集合住宅を選んだ方も、「200世帯200年」という大テーマこそ同じですが、敷地やそこでの提案は一人ひとり全く違うものになり、個性豊かな発表が繰り広げられました。
卒業設計のおもしろいところは、設計にその人の生い立ちやこれまでの人生で考えてきたことが色濃く反映されていることです。
今年の2年生たちも、それぞれ持っている思いや、社会に対して設計者として自分はこんなことをしたいと思っている!ということを建築に落とし込んでいったようです。
先生方からの質疑でも、核となる設計者の考えがきちんとあるのか、そして、その考えを建築家として設計にどう反映させたのかという部分について深く掘り下げる話が多く出ていたように思います。
卒業設計は、建築家としての考えを敷地から何から全て自由に設計できる最後の機会です。
実際に建てる建築と違って、多少建築的に無理のある部分があったとしても、それよりも大事な「曲げたくない部分」をきちんと説明できれば作品としては成立します。
これから学生たちが足を踏み入れる実務の世界では、敷地や施主の要望など様々な条件の元で設計をしていくことになります。そんな中で迷った時、悩んだ時に自分の考えとなる核がしっかり確立されていると、前に進むことができるんじゃないかと思います。
2年間の中で設計してきた課題のプロセスも含め、卒業設計はその核を確かなものにする機会なのかもしれません。
個性豊かな発表から、2年生たちのこれからの活躍が楽しみになりました。
そして今年は1年生たちも徹夜で模型作りを手伝ってくれました。
自分たちの課題もある中、ありがとうございました。
発表後も先生たちの話は尽きません。
学生たちはさすがにこの日はゆっくり寝られたのではないかなと思います。
本当にお疲れ様でした。
・・・しかし、デザインファームの課題はここでは終わりません!
次は3月に「ポートフォリオ発表会」が控えています。
今度は就活にそのまま使うポートフォリオを発表します。
先生方にも今回とはまた違った「採用」の視点で評価してもらうことになります。
ポートフォリオ発表会の詳細はまたブログでお知らせしますのでお楽しみに。
(田中)