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2010年 イタリア合宿回想録 第4回

10月20日(水)
ちょっと息抜きで山岳都市シエナへ。山岳都市と言うには規模のおおきな街だけれど。

この街の見所は、ドゥオーモとカンポ広場。そして中世の都市の路地散策。

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                                                                   ↑ ここでちょっと記念写真。

シエナのドゥオーモはイタリアンゴシックの代表の一つでとても美しい聖堂。普通にアプローチすると裏の洗礼堂脇から階段を登って行くことになる。

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内部は外より細かな縞模様で、黒と白の大理石でできている。クーポラのゆがみが味わい深くていいね。1220年頃から1300年代前半に掛けて作られた聖堂である。

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さて教会の真ん中の大きな空間を「身廊 しんろう」、柱で仕切られた身廊の外側の廊下を「側廊 そくろう」という。また平面が十字形の場合、身廊から十字型につきだしている部分を「翼廊 よくろう」という。1300年代の前半に現在の聖堂を翼廊にして、直角方向に新たに身廊を作るシエナのドゥオーモ巨大化計画がスタートした。正面(ファサード)になる壁がおおむね姿を現した頃、疫病、飢餓、ペストの大流行で計画は中止になってしまった。上の写真の左に建っているのがその壁である。
それ以来660年ほど壁は壁のままで建っているのだ。すごいね。壊したり再利用で形変えたりしないでそのままですよ。このイタリアの時間の感覚には全く驚いてしまう。

↓ この壁は登ることができる。

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↓ 下の写真はこの壁の上からのカンポ広場。高くそびえるのはマンジャの塔

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↓ マンジャの塔から広場の全体像を把握しよう。

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見下ろせばカンポ広場がまるで九枚の羽の扇。シエナを最も栄えさせた13~14世紀の政治体制ノーヴェ(9人の評議会)を象徴しているそうだ。
さてカンポ広場は「世界で一番美しい広場」などと言われるので、事前に調べて期待していた学生はあれっと・・・ それほど美しいか?? なんて思ったらしい。しかし『美しいbeautiful bella(伊)』を視覚に限定しなければ、この広場の心地よさはまさしくbellaといえるだろう。

ではなぜこの広場は心地よいのだろうか?
歴史的文化的要素を排して、建築的にこの広場の大事な要素は三つ。
一番目は、昔から分析されている広場の幅とそれを囲む建物の高さの比率。しかしこの比率は建築の材料と構成とスケールで変わってしまうのも事実。昨年の合宿で「福建の土楼」の囲まれ感を経験している幾人かの学生にはこのあたりがよく理解できたようだ。

二番目は床の勾配。この広場は九枚の扇の羽だが、排水のため扇の要に向かってほどほどの勾配がついている。これが人を着地させるのだね。もちろん現代建築にも応用例がある。例えばパリのポンピドーセンター前の広場。ここの勾配もいい具合に人を着地させる。寝てる奴までいるよね。この勾配が広場の正確を決める最もおおきな要素だろう。

三番目は広場のエッジの処理
下の写真のように広場の角を建築で作り、通路での抜けを作らない。メインの入り口以外は角を守っているのだね。この囲まれ感、守られ感が内部空間のような心地よさに繋がっているのだろう。

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ふと遠くに目をやれば霧がわき上がっている。うねるような丘陵はトスカーナの特徴だけれど、静止している美しさではなくダイナミックな動きのある美しさがトスカーナだね。

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カンポ広場は夜になっても賑やかだ。この街もおいしいものがたくさんある。

今晩は塔の裏のトラットリアで学生と待ち合わせだ。

次回からいよいよローマのバロック。ベルニーニをお楽しみに。
(マキノ)

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