今回は 「秋の合宿」 というよりは 「夏の合宿」 。日中30度を超す炎天下のなか総勢37名で、
9月11日から12日、静岡県へ一泊二日の旅に出かけました。
まずは、掛川にある 「資生堂アートハウス」 (設計 谷口吉生 高宮真介)です。
バスから降りて、「はてどこにあるのか?」 と思わせます。建物はなだらかな芝生の丘に隠れて見えません。
芝生の丘をぐるっと回るとエントランスが現れ、巻き貝の渦をたどるように建物の中へはいり、展示空間へ
導かれていくのです。小さな建物ですが、印象にのこる展示空間でした。.
次に訪れたのは、同じ掛川にある 「ねむの木こども美術館 どんぐり 」 (設計 藤森照信+内田祥士)です。
こちらは遠くからでもすぐにわかります。なんともユニークな屋根の形がまっさきに目に飛び込んできます。
作った人の手の感覚が残るような素材感にあふれた仕上げです。
その後は、しばらく歩いて 「ねむの木こども美術館 緑の中」 (設計 坂茂)へ。
一変してとても無機質な空間です。ガラスとスチールの柱、そして軽量化が図られた紙製ハニカム構造の屋根。
この日は日差しがとても強かったので、ガラス面にスクリーンが下りていました。もしガラス面だけであったら、
周りの景色がすべて取り込めてもっと生き生きとした建物だったんじゃないかと思います。
翌日は、長泉町東野クレマチスの丘にある 「ヴァンジ彫刻庭園美術館」 (設計 宗本順三 柴原利紀)。
丘の斜面に建っています。上部に入り口があり、展示を見終えると、下に広がる庭を散策するようにできて
います。明るく緑豊かな庭園と、光をおさえ、ひんやりとしたコンクリートの展示室の対比がなんとも心地の
良い美術館でした。
最後は、御殿場にある 「とらや工房」 (設計 内藤廣)。
うっそうとした竹林を抜けて林のむこうに見えるのがその建物ですが、おわかりになりますか?
ここでは喫茶コーナーがもうけられており、お茶と和菓子を頂けます。
緑につつまれていただいたお茶がとてもおいしかったです。
こうやって合宿を振り返ってみると、見学先の建物はどこも周辺環境がとても良く、伸びやかな建物
という印象が強いです。東京ではなかなか見ることができない自然の中の建物を見てきたように思います。
後日、学校HPで建物の写真をアップしますので、そちらも是非ご覧になってください。
(木戸 彩子)