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体験授業 「東京ミッドタウンの建築的楽しみ方」

8/26(日)に行われた体験授業の報告です。

六本木のど真ん中に巨大な複合都市空間・東京ミッドタウンが出現しました。

7万m2という広大な土地に立つ、総床面積56万m2のメガストラクチャです。

今回の体験授業ではこの巨大な都市複合体を紹介しながら、都市と建築空間の

楽しみ方・味わい方をじっくりと考えてみました。

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どんどん過密化して行く都心部の中では、こうしたメガ開発には常にある種の難しさが伴います。高くて大きなビルを密集して建てて行かねばならず、そのスケールはどうしても人間的なものを遙かに凌駕してしまいます。
そこで、高密度化によって失われがちなヒューマンスケールをいかに再構築して人々の元に返して行くかが、都市型複合建築の計画の際の重要なポイントとして浮上してきます。

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例えば中央の広場を囲む建築群は平面的に少し傾いて並び、広場に独特の奥行き感を与えています。また「ビッグキャノピー」と呼ばれる巨大なガラス屋根は、あえて複雑な支持架構を配することで森の木々の梢のような表情を与えられています。降り注ぐ柔らかい「木漏れ日」 は夏でも涼しく、頭上の高層ビルの圧迫感をも見事に消し去ってくれます。

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「ガレリア」 と呼ばれる細長いアーケード街は外苑東通りと背後の公園とを取り結ぶ重要な要素ですが、ここでは奥に向かってどんどん期待を膨らませながら巡り歩いて楽しむことができます。末広がりで折れ曲がりに満ちた平面形を持つことで、より豊かな表情が与えられた成果です。

他にもミッドタウンでは数多くの魅力的な発見ができました。結果、体験授業はいつもよりもかなり長い50分間にわたるものになりました。

最後まで熱心に耳を傾けて下さった参加者のみなさん、本当にどうもありがとうございました。
(水沼 均)