7月25日は、昼間部建築設計スタジオ1年生の設計課題の発表講評会でした。
入学以来初めて、まっさらな敷地から一軒の住宅をすべて自力で設計するというプロジェクトです。
1年生のみなさんたちはこの日に向けて、何週間もの間白熱したスタジオを過ごしてきました。
発表会で次々と紹介される作品は、いずれも大変な力作ばかりでした。初めての自力作品などというと
何だか緊張で臆してしまいそうな気もしますが、生徒さんたちにはまったくそんな様子は見られません。
むしろ自分がもっとも力を入れた部分や試してみたかった部分について、クラスメートや先生から少し
でも多くの理解やアドバイスを得ようと、一生懸命説明をしている姿がとても初々しく印象的でした。
昼間部建築科では1年生の間に、こうした発表講評会を年間に5回行います。中間発表会や造形表現
スタジオを含めればその回数は10回を超えます。発表会をこなして行くたびに、生徒さんたちの表情は
どんどん変わって行きます。入学当初の初々しさや緊張は次第に経験を積んだ自信やゆとりへと変わって
行き、1年生を終えるころにはある種の風格のようにすら見えてきます。きっと密度の高い毎日が1年かけて
生徒さんたちをどんどん磨き上げて行くのでしょう。
そしてその週末。夏休みに入った初日だというのに、早くも多くの生徒さんたちが学校に来て、作品をさらに
洗練させるために模型や図面にさかんに手を入れています。いつもながらの景色ですが、見るたびに新鮮な
感動を覚えます。彼らのプロジェクトに終わりはありません。発表会は作品完成の日ではなく、作品がこれから
成長すべく誕生したまさにその初日なのです。