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ベトナム合宿を実施しました!- 2023年度 海外合宿レポート-

ベトナム合宿2023 ハノイ

202311月、4年ぶりに海外合宿を実施しました!!

コロナ禍の影響で海外はおろか、国内合宿さえ行けない年が続いていたので、今年はいろいろなことが再開できて嬉しい限りです。

海外合宿は年によって行き先が違うのですが、今年の行き先は「ベトナム」でした。
南北に広がるベトナムの中で、今回は中部の「ホイアン」「フエ」の2都市、そして北部の中心地「ハノイ」の計3都市を巡る1週間の旅を実施。
今回は、なんとハノイの設計事務所へ就職した卒業生のもとへも訪ねることができました。

そんな充実したベトナム合宿の様子を、参加した学生さんが撮影した写真を中心にお届けしたいと思います。

海外合宿でベトナムへ行く理由

ベトナム合宿2023 ハノイ

ところで、「なぜ、建築の勉強のためにベトナムへいくの?」と思われる方もきっと多いと思います。
その理由は、最新の建築を見るためでも、有名な建築家の作品を見るためでもありません。
では何のために行くかというと「設計者として、自分の根っこを刺激する」という目的があるのです。

…といってもまだよくわからないですよね。
ベトナムは日本と同じく、歴史的、文化的に中国から大きな影響を受けた国。またきっかけは違うにしろ、そこから西洋化に向かって文化が発達してきたという流れも非常に似ています。

経済や文化が発達したスピードは違うにしても、中国をお父さんにして同じような影響を受けた兄弟のような存在ではないかとデザインファームでは考えています。

そんな、日本と似ているけれどどこか違うベトナムの国を訪れて、街並みやそこで暮らす人々の生活を目の当たりにすると、日本で暮らしているだけではなかなか気づけない自分の価値観と感性を掘り起こすことができる、というのが大きな理由です。

実は、デザインファームでは10年以上も前からベトナムや中国の歴史的な街を体験する合宿を行っているのですが、ベトナムを訪れた学生さんたちの設計作品にはその影響が大きく現れています。

時代や価値観がどんどんと変わっていく今、過去に評価されたものから学ぶこと以上に、「自分自身の中にあるもの」「今現在の私たちの価値観」から新しい建築を創ることが大事、という考えのもとベトナムを訪問しています。

1日目・2日目ダナン・ホイアン

ベトナム合宿2023 ホイアン

では、合宿レポートと参りましょう!
ベトナム中部のダナン空港へ到着した一向。
早速ダナンの市場などでベトナムを感じつつ、隣町のホイアンへ移動しました。

ベトナム合宿2023 ホイアン

ベトナム合宿2023 ホイアン

ホイアンの旧市街は世界文化遺産にも認定されていて、歴史的に日本との繋がりも深い街です。
道に沿って開放的な低層の建物が立ち並ぶ街並みが印象的。開放的な一方、建物の間にある細い路地に入ると黄色い壁で囲まれるのが面白いところです。

ベトナム合宿2023 ホイアン

水辺の街なので、船もたくさん!
ランタンが有名で現在は観光地としても盛り上がっています。

ベトナム合宿2023 ホイアン

ホイアンに行くと必ず訪れる手巻き生春巻きのお店。

ベトナム合宿2023 ホイアン

見た目のインパクトがすごいですが味は格別!のベトナムのソウルフード「ホビロン(孵化直前のアヒルのたまご)」にも挑戦したようです。

3日目・4日目 フエ

ベトナム合宿2023 フエ

3日目と4日目は、ホイアンから少し北に位置する「フエ」という街を訪れました。
フエは、昔王朝が栄えた街で現在も当時の王宮が残されています。

ベトナム合宿2023 フエ

王宮周辺には一般の住宅があり、それが何とも不思議で刺激になるのでみんなで見に行きました。
2階や3階に飛び出ているバルコニー。
日本で見かけるものに似ていて、でも何だかちょっと違う。

ベトナム合宿2023 フエ

現地の方と会話する学生さんたち。(カラフルなカッパを着ているのがデザインファームの学生です)

ベトナム合宿2023 フエ

こんな自由な雰囲気が魅力的な国です。

ベトナム合宿2023 フエ

日本では手に入らない謎の実(タマリンド)を購入する校長先生。(と、それを見守る学生たち)

5日目・6日目・7日目 ハノイ

ベトナム合宿2023 ハノイ

最後に訪れたのは北部のハノイ。
今回の合宿のメインとも言える街です。

今回は特別に、このハノイに設計事務所を構える建築家・竹森紘臣さんと、竹森さんの事務所「WORKLOUNGE 03」で働く卒業生のもとへ訪問させていただくことができました。

ベトナム合宿2023 WORKLOUNGE 03

全員で事務所へお邪魔させていただき、竹森さんと卒業生の松原さんにおもてなしいただいた一向。
建築界でも注目されているベトナムで、いま求められていることや、竹森さんが設計する上で大事にしている考え方などをお聞きすることができました。
この先もベトナムに進出する卒業生が増えるのではないかと思います。
竹森さん、松原さん、貴重なお時間をありがとうございました。

その後は旧市街を中心に、思い思いに散策をしました。

ベトナム合宿2023 ハノイ

ベトナム合宿2023 ハノイ

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ベトナム合宿2023 ハノイ

ベトナムではモノや生活が道にまで飛び出しているが当たり前。
現地の子供達は道端でバトミントンをしているし(なぜか観光客らしき外国人の方も混ざっている)、ご飯だって外で食べています。

ベトナム合宿2023 ハノイ

そして見てください、このバルコニー!
これも日本で見かけるバルコニー(ベランダ)を彷彿とさせますよね。
建物が高層化しても、バルコニーがなくならないのは日本と同じ。どんなに高いタワーマンションでも、実用性はなくても「意識的に外と繋がっていたい」そんな感覚が我々日本人の中にあるのではないか?ベトナムでもそうなのか?…

ベトナム合宿2023 ハノイ

そしてハノイといえば「電線」。
日本の街中にもたくさんありますがベトナムの電線はその規模が違います。(最近は安全のために地下に埋める作業が進んでいるそうですが。)
毎日当たり前に見ているはずなのに、束になって存在感があると何でこんなに気になるのでしょうね。
もしかして、この電線って空間を作る要素になっているのでは?…

などなど、こんなふうに考えるきっかけがたくさん生まれるのがベトナム合宿です。

ベトナム合宿2023 ハノイ

1週間、しっかり刺激を受けてきた参加者の皆さん。
現地の方と交流をして、普段なかなか見られないような場所を見せていただいたり、現地でも積極的に動いていました。

この合宿での体験が、それぞれの建築にどう反映されるのか、この後の作品がとっても楽しみです。