毎年、御茶ノ水の老舗画材店 レモン画翠さん主催で行われる「学生設計優秀作品展」。
第46回目の作品展が、今年2023年6月24日〜26日に開催され、本校からも昨年度の卒業設計から1作品を出展させていただきました。
今年、出展したのは昼間部 建築設計スタジオの卒業生、鈴木真優さんの設計作品「陽だまりの集合住宅」です。
副題は「住む人に愛され、長く住み継がれていく集合住宅」。
この場所に住む子どもたちが安心して成長でき、さまざまな世代の人たちが心地よい距離感で暮らし、住み継いでいくことが考えられたプロジェクトです。
住む場所で孤独を感じないような空間と、ひとりでいても独りではないと感じ、心理的な安心感を与えられるような他者との距離感を考えながら、子どもたちがここで成長していく過程を織り交ぜて、ながく住み継がれていく集合住宅を目指して設計した。
路地で遊んでいると家族以外の大人と出会いが生まれる。住民だけの安全が確保されたデッキで子どもたちの世界が作られる。
様々な人たちと出会い、自分からのびのびと外へ出て好きなことを探し、没頭する時間があることで、自分で考え、行動する力を自然と身に付けていく。それが、大人へ向けての健全な自立につながると考えた。
年月が経つにつれて、住んでいる人たちの暮らしが外部にはみ出してきて、より集合住宅全体が子どもたちをやさしく守り、のびのびと成長できる環境になっていくだろう。
(設計主旨より)
住民たちの暮らしの一部となる「ミチ」と「イエ」そして、住民たちだけが入れる「デッキ」、これらの関係性によって、人と人の心地よい距離感が生まれる集合住宅。
模型からも、住民たちがそれぞれ自然にコミュニケーションをとる様子が伝わってきます。
面と向かってコミュニケーションをとる必要がなくなってた現代に、人の温かさに触れられるような人間関係を築ける設計がしたかった、という鈴木さん。
まさにこれが「コト」を設計した建築なのだと思います。
鈴木さんの今後の建築家としての活躍がとても楽しみです。
鈴木さん、本当にお疲れ様でした。
こちらの作品は、デザインファームの正面玄関にも展示していますので、ご来校の際は、ぜひじっくりご覧になってみてください。