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入試がない理由

デザインファームには、入学試験がありません。
それには理由があります。

建築設計を志す全ての人は、その人にしか創り出せない 「建築の種」 を胸の奥に秘めています。
それを探し出し育て上げるのが、「建築農場」 デザインファーム。
たとえ試験でその人の長所や短所を見極めたとしても、
そのことで建築設計の素質の優劣を決めることはできません。

◆「数学」の能力は必要?

建築には数学の成績が良くなければいけない、という固定観念があります。
確かに数学ができなければ構造計算の専門家や設備設計の専門家など、
建築における工学技術のプロにはなれません。

しかし、設計作業は分業です。
意匠設計者が建物の形を決め、構造や設備を含む 設計活動全体を統括するのです。
ですから意匠設計者にとっての数学の能力は、特別に必要とはされないのです。
そして 「建築設計」 とは、一般に 「意匠設計」 を意味します。
デザインファームは、建築設計 (意匠設計) のプロを育てる学校です。

◆建築設計は 「理系の分野」 ではないんですか?

数学や物理など理系の才能があれば、空間をロジカルに構成することができ、
最先端の論理的な建築を得意とする建築家になることが可能でしょう。
では理系が得意でない人は、建築設計をあきらめるべきでしょうか?

いいえ。感性や経験則による建築、様式的な建築など、
論理的とはいえないけれど優れた建築はたくさん存在します。

◆ 「絵が得意」 でなければいけませんか?

美術的センスがあれば、美しく芸術的な建築物を創造できるようになり、
アーティストとしての建築家になることが可能でしょう。
では絵が得意でない人は、建築設計をあきらめるべきでしょうか?

いいえ。必ずしも美しいとはいえないけれど
大勢の人を楽しませ幸せにする建築もたくさん存在します。

◆ 「人生経験の豊富さ」 は必要ですか?

日々の暮らしを深く見つめる人は、居心地がよくオーダーメイドのシャツのように
ぴったり馴染む住宅を設計できるようになるでしょう。
では人生経験の浅い若者や、個性的な人生を歩んできた人は
建築設計に携わることができないのでしょうか?

いいえ。建築には様々なジャンルがあり、
それぞれのジャンルに個性的で優れた建築がたくさん存在します。

建築設計を志す人の 「建築の種」 が多種多様であるように、
建築もまた、 ジャンル、構法、様式、素材、光、などなど実に多種多様です。
設計への取り組み方も十人十色。
デザインファームでは 「あなたにとっての建築」 「あなたの設計作法」 を大事に育ててゆきます。

もしひとつだけ私たちの学校に入学基準を設けるのなら・・・
建築が好き」 という気持ち。

それだけです。