秋の合宿 昼間部編です。
昼間部 住宅設計科・建築設計科は長野を中心に建物を見学してきました。
第一日目、最初に見学したのは 「神長官守矢資料館」 。建築歴史家として有名な藤森照信さんの設計です。
「○○様式」 という言葉があてはまらない不思議な形をしています。でも、仕上げが天然素材だからでしょうか、
最初の印象に違和感はありません。2本飛び出た柱やそれに突き刺さっている金属の板などが、日本古来の
「まつりごと」 に由来しているなど、見ているとじんわり 「ふしぎだな」 と思います。写真で見ていると
屋根や壁にパースがついていて大きく見えますが、実際はこぢんまりとした建物です。
次に向かったのは 「奈良井宿」 。ここは 「重要伝統的建造物群保存地区」 として江戸時代の宿場町の町並み
が保存されているところです。歩いてみると、かなり長い距離でこの町並みが続いているのがわかります。
そして、資料館ともなっている 「櫛問屋中村邸」 は、ほぼ当時のままの内部空間で、2階部分に上がること
もできます。吹き抜けを介して2層部分があったり、裏庭があったりと、奥行きある空間を体験できました。
2日目は4つの美術館を廻りました。
「松本市美術館」
「窪田空穂記念館」
「碌山美術館」
「いわさきちひろ美術館」
市街地の美術館・郊外の美術館・個人の美術館・公共の美術館・象徴的な形の美術館・風景に溶け込む美術館。
さまざまなタイプの美術館を巡りました。どの美術館にも設計者の思い・考えが見て取れたように思います。
夜のディスカッションでは、みなさんどんな意見を交わしましたか?
3日目。東京へ帰ります。この日泊まっていた宿が 「松本市美術館」 と同じ設計者、宮本忠長さんの建物だった
ことを皆さん知っていましたか?バスが入り口の前までつけてしまったので、建物の外観印象があまりないので
はないでしょうか・・・。こんな感じです
そして、帰る途中で立ち寄ったのが 「木の国サイト情報館」 。北河原温さんの設計です。県産木材の紹介を目的
にした建物で、同じ敷地内にプレカット工場などもありました。 「木材の紹介」 とだけあって、建物は木格子を
主要構造としたとても実験的な建物でした。
学校の外に飛び出して、実際の建物を見学するのは、雑誌の中の情報とは違った刺激がいっぱいです。
建物がどんなところにあって、どのように使われているのかを肌で感じることができます。そんな刺激は設計に
とても役立つんじゃないでしょうか?設計する上で大切なことは、いろんなものを自分の目で見て考えること
なんじゃないかな、とつくづく思った合宿でした。
(木戸 彩子)