9月16日の体験授業の報告です。
現在、六本木ヒルズの森美術館でル・コルビュジエ展が行われています。
(もうすぐ終わっちゃうんですけどね) そこでル・コルビュジエ作品のスライドを使って体験授業を行いました。
まずはコルビュジエの代表作:サヴォア邸。
さまざまな要素が多面的に複合する密度の濃い作品です。
その中でも彼の唱えた近代建築5原則 (1.ピロティ 2.屋上庭園 3.自由な平面 4.自由な立面 5.水平連続窓 )
そして誤解を受けやすい 「machines à habiter -住宅は住むための機械-」 について解説しました。
住宅は住むための機械 (装置) ・・このコルビュジエの言葉
に、冷たくネガティヴな印象を持つ人も少なくないのでは?
でも実際に作品を訪れると、とても人に優しい暖かい建築であることがわかります。コルビュジエは、
旧来の価値観に対するアンチテーゼとしての強い言葉 machine -機械- を用いることで
「建築において人間こそ主役である」 と宣言したのではないかと、僕は解釈しています。
次はラ・ロッシュ=ジャンヌレ邸です。
ラ・ロッシュ邸は入ってすぐの吹き抜けに印象に残る出っ張りがあるのですが、
ここの微妙なコントロールが空間同士の動的な関係を生み出します。
またコルビュジエ建築は人に優しいポイントをいくつも持っていて、
その観点からスロープやトップライトについてお話しました。
さてユニテです。
ユニテ・ダビタシオンといえばメゾネットの居室が有名ですが、なんと今回のコルビュジエ展では
原寸模型が再現されています。写真や図面と違って空間体験できることはすばらしいことです。
そこで2002年10月14日(ユニテの50周年ちょうど当日)デザインファームの合宿で訪れたときの
写真を見ながら、模型だけでは感じられないことを見てもらいました。また現在ホテルとなっている
単身者用の部屋でも細やかなコルビュジエらしい操作が見られ、それについてお話しました。
最後はカップ・マルタンの休暇小屋。
これも展覧会で原寸模型で再現されています。この小屋を体験するときに、
ぜひコルビュジエの愛した地中海との関わりをイメージ出来るように、スライドを見てもらいました。
どうもありがとうございました。 (牧野 徹)