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デザインファーム卒業生 岩下 沙紀さん

卒業生インタビュー

岩下 沙紀 さん

就職先:一級建築士事務所 ニコ設計室
クラス:土曜部 建築設計スタジオ
入学時年齢:25歳
入学前:会社員(営業職)

建築家 西久保毅人さんが主宰する「ニコ設計室」にお勤めの岩下さんにお話を伺いました。

【デザインファーム(以下、DF)】
現在はどのようなお仕事をされていますか?

【岩下さん(以下、岩下)】
今年の3月に土曜部を卒業して、4月に事務所に入社しました。
今は新築の住宅を2件担当していて、どちらも見積もり調整中の段階です。ちょうど入社したタイミングでスタートした物件で、最初の打ち合わせに同行してからそのままの流れで担当させていただいています。
まだ入って半年くらいなのでわからないことだらけですが、所長や先輩方がとても頼りになるので、環境には恵まれていると思います。

【DF】
担当スタッフのお仕事は、具体的にはどのような内容なのですか?

【岩下】
私の担当している物件は現場がまだはじまっていないので、今は図面を描いたり、打ち合わせの内容を記録したりといったことを主にやっています。打ち合わせは所長がメインで行なっているところに私も同席して、その後お施主様とメールでやりとりをしたり、工務店さんと連絡をとったりしています。
基本設計についても、基本的には所長の考えが中心ですが、一緒にエスキースをして模型を作りながら、「ここはもう少し考えてみようか」などアドバイスをもらって、案をまとめていくことも多いです。

【DF】
最初からプランについての意見も出せるのは嬉しいですね!
就職して半年ほどということですが、実際に建築設計の仕事についてみて、楽しいと感じること、大変だと感じることなどがあれば教えてください。

【岩下】
今は、この世界に身を置いているということ自体に喜びを感じています。
以前の自分を考えると、ここまでいろいろと決断してよかったなと思います。以前の仕事では、スピードや正確さを求められていましたが、今はどちらかというと「良いもの」を求められていると思います。価値観が全然違うというか、今まで使っていなかった部分の頭を使っているな、と感じますね。

一方で、「良いもの」の正解がない、という難しさもあります。
一から作るので決めることが多く、仮にでも決めないと設計が進まない時もあれば、じっくり時間をかけて答えを探す時もあります。でも結局何が良いのかという事に正解はないので、常に自分の考えを持って進めていかなければいけないのが大変です。
これは楽しいところでもあるけれど、まだ知らないことも多いので難しいですね。

あとは、お施主様と出会えることも楽しいところです。本当に素敵なお施主様が多いので、知り合えるだけで学びになります。

【DF】
実際の設計では、学校の課題よりもさらに細かな選択をしなければいけない上に、責任も生じるので、楽しくもありそこが大変なところでもあるのですね。
今の事務所へはどのようなきっかけで就職されたのでしょうか。

【岩下】
在学中に雑誌で作品を見て良いなと思ったのがきっかけで、さらにHPを見て惹かれてオープンデスクに応募しました。そのあと、卒業設計が終わるくらいのタイミングでまたアルバイトに行かせてもらい、その時に正式にスタッフになりませんかと声をかけてもらい、今に至ります。

【DF】
在学時から就職活動をされていたのですね。
ところで、以前はどのようなお仕事をされていたのですか?

【岩下】
2年生の夏くらいまでは、ロールスクリーンのメーカーで営業をしていました。その頃から設計事務所の方とお仕事をすることがあったので、そこで「こんな世界(建築設計)」もあるのだな」というのを知りました。

【DF】
そこから、どのようなきっかけで建築を学んでみようと思ったのですか?

【岩下】
思い返してみると、高校受験の際に建築系を検討していたこともあったのですが、結局そちらには進まなくて、大学も完全な文系で歴史を学んでいました。
ただ、歴史を学んでいると様々な街の話が出てきますし、海外に住んでいたという自分自身の環境もあって、街並みや街づくりにはなんとなく興味はあったのだと思います。でもはっきりしたものがなくてモヤモヤとしていました。
以前の会社に就職して、こういう(建築設計の)仕事があるということを知って、そのモヤモヤが少し具体化されたところはあります。

就職して、営業の仕事も楽しくやっていたのですが、ある時「このままでいいのかな」と不安になってしまったことがあったのですね。その時期は、何か身に付けなきゃと思って、いろいろな検定を受けたりしていました。

そんな中デザインファームを見つけて説明会に参加してみたら、先生の話がすごくおもしろくて。大学時代にたくさん刺激を受けて楽しかったのを思い出しました。すごく悩んだのですが、社会人になってからこんな風に学べる機会もないかなと思って、思い切って入学してみることにしました。

クラスに魅力的な人がたくさんいたので、みんなの頑張りをみて、自分も頑張らなきゃと思えました。

【DF】
岩下さんはお仕事を続けながら土曜部に入学されましたが、仕事と学校の両立はうまくできましたか?

【岩下】
正直、うまくできませんでした(笑)
でも、今思うと課題が楽しかったので乗り切れたのかなと思います。
残業も多かったけど、「今日は課題をやるぞ」と決めたら早めに帰るようにして、そこから夜中まで課題をやったり、発表の前は有給を取って模型を作ったりしていました

卒業設計作品
岩下さんの卒業設計作品

【DF】
お仕事が忙しい中、課題も頑張って仕上げていたのですね。
学校生活で印象的だったことや、今の仕事に役立っていることなどはありますか?

【岩下】
先生たちの授業もおもしろかったし、何よりクラスメイトの存在が大きかったです。
休みの日に一緒に課題をやったり、展示会やオープンハウスに行ったりもしましたし、課題や就職に悩んでいる時には相談に乗ってもらったり、一緒に考えたり、私にとっては戦友のような存在です(笑)魅力的な人がたくさんいたので、みんなの頑張りをみて、自分も頑張らなきゃと思えました。

設計事務所で仕事をしていると周りにはすごい人たちばかりがいて、自分はこれで良いのかなと不安になることも多いのですが、学校で設計した作品が、自分の実績として形に残っている、というのが現在も大きな安心感につながっています。

また作品を通して自分のアイデンティティというか、存在を認められたという感じがしたのもよかったと思います。
海外で長く暮らしていたということもあって、自分のことを言葉でうまく伝えられないのがコンプレックスだったのですが、模型を出せば何も言わなくても「こういう人だ」というのをわかってもらえた気がしました。

きっと先生方が、「私自身がどうしたいのか」や「らしさ」を大事にして指導してくださっていたので、自分が「好きだな」「いいな」と思うものを徐々に形にできたのだと思います。

【DF】
それだけ自分を語れる作品が設計できたということですね!素晴らしいです。
今後はどのような目標をお持ちですか?

【岩下】
まだ先のことはわからないのですが、今は目の前の仕事に向き合ってたくさん学んでいきたいです。いずれ、こうしたいということが出てきた時のための筋トレ期間だと思って、その時のために備えたいです。

【DF】
貴重なお話をありがとうございました!
最後に、これから建築を学ぼうと思っている方へメッセージをお願いします

【岩下】
建築に対して何か惹かれるものがあるのなら、本当にやってみるべきだと思います。

私自身、デザインファームにいたことは、もし建築業界に転職していなくても人生のプラスになったと思います。ここで出会えた人、自分と向き合えたこと、作品を作れたことなど、他の人も何かしら収穫を得ていたように感じます。
もし途中で挫折したとしても、それもひとつの経験ですし。

何かしら感じることがあって、今こうしてこのH Pを見ているのではないかと思うので、「やってみるべし!」と思います。

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