あなたはあなたのままでいい、人は素直なままで十分個性的
どんなもの作りでも、つくる人の“らしさ”が出てくるものです。建築は特に人と関わるものだけに、設計者の“らしさ”が出ます。自分らしさを知ることで自分らしい設計ができるようになり、やがてそれが個性として建築に表れます。自分で「好きだ!」といえる作品が作れると、みんなに共感してもらえることを実感します。そして、それは自分自身に共感してくれたということ。 自分を素直に表現できる「設計」という仕事が、ますます面白くやりがいのあるものになっていきます。
人はもともと個性的なものです。他人と違うことが個性だと勘違いすると、自分を見失って苦しいだけ。自分を素直に出したその結果、他人とは違うところ・・・それこそがあなたの個性です。 素直に課題に取り組んで、あなた自身の個性を大切に育ててください。あなたはあなたのままでいい。
建築設計に必要なのは、速く走る能力ではなく、走りきる能力
もう一つ、「自分は設計に向いているか?才能があるか?」ということをよく聞かれます。答えは「建築が好きならそれで十分」です。みなさんが不安なのは、突出した能力が自分にあるのかと考えるからです。100m走るのにオリンピックに出るのなら、10秒前後の速さが必要でしょう。しかし単に100m走りきるなら、18秒でも20秒でもかまわないのです。建築設計に必要なのはこういう普通の能力。間取りを考えるのも、模型をつくるのも図面を描くのも、特別な能力を必要としません。必要なのは「適切な訓練」です。