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デザインファーム卒業生 須佐 雄輝さん

卒業生インタビュー

須佐 雄輝 さん

独立準備中(明野設計室一級建築士事務所 所属)
クラス:昼間部 建築設計スタジオ
入学時:25歳
取材時:38歳

昼間部を卒業後、設計事務所で実務経験を積みながら独立準備中の須佐さんにお話を伺いました。

自分の好きなこと、得意なことを社会に役立てるとすれば住宅設計なのでは?という漠然とした、でも、確かな感覚がありました。

【デザインファーム(以下、DF)】
この仕事(住宅設計)をやりたいと思ったきっかけを教えてください。

【須佐さん(以下、須佐)】
きっかけは大きくは2つです。
1つは、建築学科でもない大学2年生の頃に、住宅作家・川島千晶さんのインタビュー記事を読み、その後すぐに川島さんに会いに行ったことです。
川島さんの勤務するフリーハンド小井田設計室(故:小井田康和氏の自邸)にお邪魔させて頂きました。
“住宅設計“ という仕事について聞きに行ったつもりでしたが、そんなこともそこそこにカレーライスとビールをご馳走になって夕方までいさせてもらいました。ただ居心地のいい小住宅だったというのが、そのときの記憶です。

その後すぐに建築に進むことはなく、メディアデザイン学の大学院を経て、新卒でWeb制作会社に勤めます。しかし、その会社を1年で懲戒解雇にされるのです。
これがもう1つのきっかけでした。
納得できなくても、違法でも、社長のいう通りにやらなければ業務命令違反。社長の最後の言葉は、「明日から来るな。お前は頭おかしい。」でした。
果たして、自分がおかしいのか、世界がおかしいのか。
自分には企業で働くのは無理だと思いました。

そこからは、自然の成り行きだったように思います。
自分の好きなこと、得意なことを社会に役立てるとすれば住宅設計なのでは?という漠然とした、でも、確かな感覚がありました。

無難なプランは誰にでも作れる時代、住まい手の言葉にならないような感覚や好みをどう掴むかが勝負だと思う。

【DF】
住宅設計の仕事の醍醐味や、どんなときに「やっていて良かった!」と思いますか?

【須佐】
何軒かの住まい手さんに、「須佐さんがいたから、ここまで辿り着けたみたいな所ありますね!」と言って頂いたことがあります。そのときは、自分がやった意味があったなと思います。
今は独立しているわけではありませんから、あくまで事務所の方針でやれる範囲、住まい手さんの志向に近づいただけです。
早く、自分の思うままに設計できるようになりたいですね。
他の人で代替しうるのであれば、自分が携わる意味はあまりないです。

哲学の言葉に「最大多数の最大幸福」という言葉があります。
AI時代、誰もがそこそこ気に入るような無難な、置きに行ったプランは、誰にでも作れる時代になると思っています。
でも、こと住宅設計においては、この言葉がまるで当てはまらないと思っていて、住まい手の言葉にならないような感覚や好みをどう掴むかが勝負だと思います。

最近、「他の人には無理だろうけど、あたしには最高に使いやすいし、居心地いいの。子供たちも独立したから、使い方も変わってるのにね。」と、自信満々に語ってくれた住まい手さんがいました。
明野設計室が20年以上前に設計した住宅の住まい手さんです。

そういえば、生前の小井田さんも言っていました。
「住宅の価値や評価は20年後」だ と。

選ぶまでもなく、考えるまでもなく、なんのしがらみもなく、これしかないと「設計」の世界に飛び込めるのであれば、それは1つの才能です。

【DF】
これから建築をはじめようと考えている人へメッセージをお願いします。

【須佐】
選ぶまでもなく、考えるまでもなく、なんのしがらみもなく、これしかないと「設計」の世界に飛び込めるのであれば、それは1つの才能です。
…というのは、日本橋ヨヲコさんの漫画のセリフですけど、ほんとにそうだと思っています。

構造、断熱気密、法規、施工性、コスト、環境負荷、形状、素材、色彩、塗料、経年変化、住まい手の変化…考えることは無限にあります。
設計は、そのパズルの中から、必然とも思えるような、ただ1つの解を見つける仕事です。
正解は20年後です。

ただ、これから建築士を目指す方には、ぜひ「設計」だけでなく、「監理」の側にも目を向けてほしいなと思っています。
構造や断熱気密、風水害に強い住まいを作るためには、設計の通りに作れているか、見張るチカラが必要です。
ここ数十年で職人さんたちの腕は着実に落ちています。それはこれからも進んでいくでしょう。
職人さんを育てるのも建築士の仕事の1つです。
少なくとも自分が監理した住宅であれば、震度6強程度の地震じゃ絶対に壊れないな、と自信を持って言えるようになってほしいと思います。

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