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デザインファーム卒業生 中村 京子さん

卒業生インタビュー

中村 京子 さん

勤務先:大手ハウスメーカー、工務店と業務委託(フリー)
クラス:昼間部 建築設計スタジオ
入学時年齢:41歳
入学前:インテリアコーディネーター

インテリアコーディネーターから建築の道へ進んだ中村さんにお話を伺いました。

【デザインファーム(以下、DF)】
現在はどんなお仕事をされていますか?

【中村さん(以下、中村)】
現在はフリーでハウスメーカー2社、地域密着型の工務店1社と業務契約しています。
ハウスメーカーでのインテリアコーディネーター業務は、基本設計契約後にきめ細かく施主の生活や要望を聞き取りをして最終仕様全般を決める仕事です。ハウスメーカーの場合は、設計一人が担当する物件数が多く、引渡しまで期間が短いため、インテリアコーディネーターにバトンタッチして最終契約内容を固めます。インテリアコーディネーターは設計補助という立場を超えて、接客業であり施主のよろず相談役でもあり、顧客満足度はインテリアコーディネーターによって決まるとも言われています。内外装仕様、水廻り設備の詳細、電気配線、照明、さらにほとんどの場合エアコン・カーテンまでが責任範囲です。特に収納と窓については、こだわりたい部分なので、可能な限り修正を加えます。(設計さんにとっては、めんどくさいタイプのインテリアコーディネーターです)
工務店の方は、多くは初回打合わせから参加して、プラン提案から積算、契約・見積書作成なども担当しています。
残念なのは、どちらも予算や面積の制約が大きく、提案したい内容があまり実現できないことです。また、建築家の住宅と違って、設計段階で要望の全て網羅するあまり、結果的に「普通の家」に仕上がるのが悩みです。

【DF】
インテリアから建築へ転向しようと思ったきっかけを教えてください。

【中村】
私の場合は、大学卒業後アパレルデザインの仕事をしていました。『マーガレット=ハウエル』というブランドのショップ勤務でディスプレ―やアンティーク家具販売の仕事をしたのがインテリアへの転身のきっかけになりました。結婚後は、インテリア学校に通い、子育てのかたわらインテリア販売や分譲専門の設計事務所のインテリアコーディネーター等々、長い下済みを経て、学校卒業8年目にしてやっと註文住宅の仕事に辿り着きました。
建築設計に目覚めたのは、インテリアコーディネーター業務が一人前にできるようになった頃、既に70棟近く新築を担当した頃です。自分が携わる鉄骨高機能住宅は、本当に施主にとって最高に気持ち良い住宅なのか? 機能と企業力は満点でも設計はいまひとつ、、、。という不満が募っていました。
そんな時に家具職人さんの住宅を担当する機会を得て、初めて「住み手にとって気持ちいい住宅を作ること」を体感しました。それは、外観と躯体は、堅牢なハウスメーカー仕様。でも内部は、規格外の自然素材を多用して、スケルトン階段とワンルーム感覚のプランという、それまで経験したこのない、美しい家でした。
この家の完成要因は、施主のセンスとこだわりによるところ大きかったのですが、竣工時の感動は忘れることができません。迷いが吹っ切れて「設計を学ぼう!」とデザインファームへの入学を決めました。

【DF】
デザインファームで学んだことを教えてください。

【中村】
デザインファーム1年生の冬頃までは、実務経験者の自負があり、極力、実生活を考慮した作品を作っていました。吹きぬけや中庭に頼る間取りは現実的ではなくて‘あざとい’というかたくなな信条もあり、どんなに試行錯誤しても大らかさに乏しい作品ばかりでした。
考え方が柔らかくなったのは、『傾斜地の別荘』の課題を終えるころでした。図面で考えるだけでなく、模型でボリュームや内部構成や屋根掛けを何度も検討した結果、「断面と空間のつながりを豊かに考える」という感覚がわかり、一皮むけた気がします。
また、入学して良かった点は、個性豊かな先生やクラスメートと課題に取り組めたことです。行き詰まった時には歴代の作品記録を研究する事もできて、自分と違った驚くような建築センスの作品に多く触れられたことです。課題へのアプローチは10人10色、求めれば、気持ち良い建築の解はたくさんあることを繰り返し学びました。
卒業後、つくずくデザインファームに感謝することがあります。業界で活躍する先生や同輩、先輩、後輩の皆さんが自分にとって大切なブレーンであり、仲間でもあるということです。修行中の若い方々には刺激をもらっています。とりわけ、就活中の方々には強い共感を覚えます。自分ももっと、なんとかして這い上がりたいという気持ちです。同志なのです。

【DF】
結婚と建築設計の仕事についてはどうお考えですか?

【中村】
割り切った言い方をすれば、女性は「家計を支えなくていい」という甘い立場なので、何時でも自分のやりたいことを貫けます。女性こそ、自分の努力と才能を認めてもらえるところを求めて、一生あきらめずにやりたい仕事を続ければいいと思います。建築もインテリアコーディネーターも定年はありませんからね。

【DF】
プロとしての今後の目標は?

【中村】
これまでインテリアコーディネーターとして、住宅に関する色々な仕事をしてきて、いろんなタイプの住宅会社があることを経験しました。優秀な建築家の下で設計修行をすることは、誰にとっても理想ですね。
私は、設計に目覚めるのが遅かったので、現実問題、スキルが追いつかないのでアトリエ系は難かしいと悟って、自分なりの働き方を模索しています。
今後は地元に密着した良質な工務店で仕事をしたいですね。
ハウスメーカーは、誰からも駄目出しをもらえない、師匠のいない世界でしたので、できれば、次は建築への理想をもった設計士と棟梁がいる会社で叱られながら仕事がしたいです。
そこで「建築家に依頼するなんて自分には縁のない話」と工務店を選んだ普通の人たちの住まいをどこまで引き上げられるか、挑戦したいです。
デザインファームで学んだ私の理想の家、間取りから解放された、空間のつながりを豊かに考えられる家。光と風と景色を楽しむ家。を提案し続けたいと思います。

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