デザインファームトップ > 就職実績 > 卒業生インタビュー > 橋本 大輔 さん

デザインファーム卒業生 橋本 大輔さん

卒業生インタビュー

橋本 大輔 さん

就職先:オノ・デザイン建築設計事務所
クラス:昼間部 建築設計スタジオ
入学時年齢:30歳
入学前:会社員

住宅の設計を主に手掛けている「オノ・デザイン建築設計事務所」へ就職した橋本さんにお話を伺いました。

デザインファームで描いた詳細図面と作品を一通り見せたら、そのまま案件を任せてもらえた

【デザインファーム(以下、DF)】
橋本さんの現在のお仕事について教えてください。

【橋本さん(以下、橋本)】
デザインファームを卒業してすぐに今の設計事務所に就職して、2年半くらいになります。主に個人住宅の設計を手掛ける設計事務所で、スタッフは所長の他に3人です。
つい最近、入所してすぐに担当した住宅が2軒竣工したところで、今は三階建てで規模が大きめの住宅を担当させてもらっています。

所長とは出身地が同じで趣味や好みも近いところがあり、とても居心地が良いです。仕事の面でも自分が成長できるようにとても考えてくださって、人間的にも見習いたいと思う方です。

【DF】
就職してすぐに2軒も担当を任されたなんて、すごいですね。

【橋本】
面接の時にデザインファームの課題で描いた詳細図面(技術図面)と設計した作品を一通り見せたら「(実務が)できるんだね」と言っていただき、そのままその時に進んでいた案件を任せてもらえました。

もちろんわからないところは教えてもらいながらでしたし、最初は思っていた以上に図面がたくさんあって大変でしたけど、所長から「いずれ独立を考えているなら全部やった方が良い」と言っていただき、図面を描くところから確認申請、現場での現場監督さんや職人さんとのやり取りまで全てやらせていただきました。

打ち合わせも全て参加して、ときどきお施主様に説明させていただくこともあります。いろいろな仕事を任せていただいていて、本当にありがたいなと思っています。

数字に追いかけられて見えないものと戦っているのとは違う経験で、単純に幸せなことだなと思う

【DF】
住宅設計の仕事をしていて、楽しいと思うことや大変だなと思うことがあれば教えてください。

【橋本】
担当した住宅が竣工したときは、本当に嬉しかったですね。「こんなに良いものができるんだ!」と思いました。
お施主様と一緒に共感しながらモノづくりに主体的に関われて、そして感謝していただける。数字に追いかけられて見えないものと戦っているのとは違う経験で、単純に幸せなことだなと思います。

ただ、現場がはじまった頃は大変でした。
ベテランの現場監督さんから毎日のように確認の電話がかかってきて、最初は「あれもダメだった」「これもダメだった」ということが続いて、まだまだ勉強しなければと感じました。
でも、現場の方とコミュニケーションをとることでさらに色々なことを教えていただけますし、同じ「良いものを作りたい」という気持ちを持っている人たちと仕事ができるのは良いことだなと思います。

デザインファーム卒業生 橋本大輔さん

設計の基本になる部分を教えてくれる学校なので、設計事務所ではアドバンテージになる

【DF】
たくさん任せてもらえる分、仕事の中で学ぶことも多いのですね。
デザインファームで学んだことで役立っていることはありますか?

【橋本】
技術的なことも含めて、設計の基本になる部分を教えてくれる学校なので、全体的に学んだことが設計事務所ではアドバンテージになると思います。実際に他の学校を卒業したスタッフからは「学校で設計の実務スキルを学ぶ機会が少なかったので仕事を覚えるのに苦労している」という話も聞いています。

在学中にとある設計事務所のオープンデスク(※)へ行ったのですが、参加者全員がプランを考えさせてもらえる機会があって、僕も住宅のプランをプレゼンさせてもらいました。
他の学校から来ている方もいたのですが、その中でも「基本ができている」と評価していただいて、デザインファームの課題を通して実践的に考え方を教えてもらっていたことが活きているなと思いました。

※オープンデスク:設計事務所の仕事を一定期間経験できる制度

【橋本】
あとは、学生の頃はピンとこなかったけれど、先生方から聞いていたことが実際に設計事務所で働き始めて「こういうことなんだ」とわかるようになってきました。
エスキース(※)だったり、ちょっとした会話の中で「実際のところはこうなんだよ」とか「ここをわかっておかないといけないよ」と聞いたことを、仕事をしている中でふと思い出すことがあります。

※エスキース:模型や図面、スケッチなどを使って設計を検討すること。学校では、設計の途中段階を講師に伝えアドバイスを求めたり進め方を相談する意味もある。

「あなたの好きは何ですか」「あなたの一番やりたいことをどう伝えますか」建築家の仕事ってそれが一番だと思う

【DF】
実務の中で講師の言葉を思い出していただけるのは学校としても嬉しいことです。
他に、学生の時にやっておいて良かったことはありますか?

【橋本】
僕もまだ全然足りていないのですが、建築はいろいろ見ておくのが良いと思います。学校でも合宿などでたくさん見学しましたが、実際に見て体験して良いと思ったことを設計に落とし込むという部分は、自ら培わなければいけないところだと実感しています。

デザインファームでは、設計課題の中でも「あなたの好きは何ですか」「あなたの一番やりたいことをどう伝えますか」ということを大事にするじゃないですか。建築家の仕事ってそれが一番だと思います。

お施主様の希望通りに作ったとしても、自分が良いと思ったものを元に提案ができないと選んでもらえないし、それを自覚できる人こそが独立して仕事がもらえるのかなと、実務について感じているところです。

卒業生インタビュー_橋本大輔さん_卒業設計
橋本さんの卒業設計『中野ブロードウェイ「町」再生計画』

30歳の時、2回目の人生はないし辞めるならここだろうなと思って建築の道に進むことを決めた

【DF】
もともとは、どのようなきっかけで建築に興味を持たれたのですか?

【橋本】
大学時代は文学部だったのですが、その前から建築には興味がありました。数学が苦手だったので建築学科は諦めてしまったのですが、建築はずっと好きでした。

大学では美術史や芸術論を専攻していたこともあり、卒業後は芸術振興が盛んなメーカー企業に就職しました。ただ、希望していた芸術関係の部署には配属されなくて、製品のP Rなどの仕事を主にしていました。

会社は居心地も良かったし、それはそれで楽しかったのですが、8年勤めて異動の希望を出してもなかなか通らず、このまま頑張り続けるか、以前からやってみたかった建築の方へ進むか考えていたときに、たまたまデザインファームを見つけておもしろそうだなと思って。
会社を辞めたのが30歳の時だったのですが、2回目の人生はないし辞めるならここだろうなと思って建築の道に進むことを決めました。

【DF】
仕事を辞めて建築の道に進むことに不安はありませんでしたか?

【橋本】
前提の価値観として、この先もお金のために仕事をするのか、自分のやりたいことで人に喜んでもらう仕事をするのかということを考えた結果、僕は後者の生き方が良いなと思いました。それを理解して一緒にやっていける人と人生を歩んでいきたいし、そういう価値観の人たちと仕事をしていければ良いと。

将来本当に独立できるのかなど、日々不安はありますけど、それはみんな通っていく道で、それを乗り越えてきた方々がデザインファームにはたくさんいるから、そういう方々を目標にして、励みにして今も頑張っています。

【DF】
これまでの社会経験が建築の仕事に役立ったと感じることはありますか?

【橋本】
予算規模の大きな仕事なので、お施主様とのコミュニケーションはもちろん、近隣の方にご説明しなければいけない場面も多々あります。メール1つをとっても、相手の気持ちを汲み取って、日常の会話を盛り込みつつ寄り添うような対応が求められるので、そう言った面では社会人経験があるのとないのとでは違うのかなと思います。
技術的なことだけではなくて、こういうことも住宅の仕事の場合はついて回るので。

僕自身も、振る舞い方を所長から勉強させてもらっています。

【DF】
今後はどのような目標を持っていますか?

【橋本】
たまたまなのですがこれまで平屋、二階建て、三階建て、といろいろな規模の住宅を担当させていただきました。ただ基本プランまでは関われていないので、次のステップとしてプランから任せてもらえるようになりたいなと思っています。

いずれは独立も考えているので資格も取得しないといけないのですが、まずは目の前の仕事に集中して、これからのキャリアの積み方もじっくり考えていきたいです。

【DF】
後輩やこれから建築を学ぶ人に向けて、メッセージをお願いします。

【橋本】
少なくとも、今僕がやっている住宅設計は、人から頼まれて、一緒に共感しながら形のあるものを作れることが最大の魅力です。形が残るというのは、その分責任も大きいですけど、出来上がって、お施主様にお礼を言っていただけた瞬間は本当に「やってよかったな」と思います。

【DF】
もし今、入学前の自分自身に会えたら、何と声を掛けますか?

【橋本】
「この学校でしか出会えない仲間や先生との交流を精一杯楽しんで欲しい!」です。
一緒に入学した仲間と学校の近くで飲んだり、設計課題の発表前日に徹夜で模型を作ったり、発表後に学校で先生達と飲み会を開いて色々な話を聞いたり、仲間と一緒に建築を観る旅行に出かけたり、楽しいこと辛いこと、全部ひっくるめて大切な想い出、経験です。

この学校を通して自分が建築を学ぶことを楽しめたからこそ、今仕事で困難にぶつかった時にもやっぱり建築を好きでいられるのだと思います。普通の学校では出会えない仲間や先生とこれからの人生の糧になる経験をして欲しいと思いますね。

もっと詳しく知りたい方は学校説明会へ

本校についてより詳しくお知りになりたい方は、ぜひ学校説明会や体験授業にご参加ください。

募集要項や生徒作品を見るなら資料ダウンロード

学校パンフレットや入学申込みに関する書類をダウンロード、または無料でお届けします。