卒業生インタビュー vol.39 後藤 瞬さん | デザインファーム | デザインファーム建築設計スタジオ

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デザインファーム卒業生 後藤 瞬さん

卒業生インタビュー vol.39

後藤 瞬さん(32歳)
昼間部建築設計スタジオ卒業
就職先:(株)前田工務店
入学前:会社員(ハウスメーカー設計)

(株)前田工務店で設計担当として活躍する後藤さんにお話を伺いました。

【デザインファーム(以下、DF)】
まずは最近のお仕事について伺わせてください。

【後藤さん(以下、後藤)】
デザインファームを卒業してから2年間アトリエ事務所に勤めていました。その後1年ほど前から、デザインファーム出身の方が経営するいまの工務店に入社して、設計担当をしています。
ちょうど先日、入社当時に打ち合わせが始まった住宅が竣工して、見学会を行ったところです。他には住宅を3件担当しています。

下鶴間の家
下鶴間の家
後藤さんが設計担当した住宅。「下鶴間の家」

【DF】
とても素敵な空間ですね。
設計の進め方は設計事務所や工務店によって様々だとは思いますが、前田工務店ではどのようなスタイルで設計を進めていくのですか?

【後藤】
所長が全て設計する、スタッフも案を出せるなど、と事務所によって様々ですが、私たちの場合は、社長と設計担当がペアで進めることが多いです。社内エスキースでアイディアを出し合って、それぞれの良いところを整理しながら設計をまとめていきます。
大きい枠に関しては任せてもらっているので、設計担当としては業務の幅は広い方だと思います。

【DF】
後藤さんは、工務店と設計事務所の両方でお仕事を経験されていますが、それぞれどのような違いがありますか?

【後藤】
設計事務所の場合、デザインに当てる時間が長く、意匠に集中できるのが特徴です。ただし、工務店が決まるまでは施工の部分は手探りで進めることも多いです。
工務店の場合は、ある程度会社の利益も考えないといけないですし、施工も社内で行いますので建てた後のメンテナンスに関しても責任が大きいです。その分、施工の部分はより気を配る必要があります。ただ、社内に現場監督がいるのですぐに現場の意見を聞くことができますし、職人さんも腕の良い人ばかりなのでとても勉強になっています。

【DF】
デザインに集中できるアトリエ、施工の部分も吟味できる工務店、両方を経験されていることは後藤さんの強みですね。
ところで、後藤さんはどういった経緯でデザインファームに入学されたのでしょうか。

【後藤】
もともと大学は建築学科に通っていました。
大学を卒業して、最初は賃貸事業をしている企業に設計として就職したのですが、そこでは自分が思い描いていた業務とは違うことが多く、そこで家づくりというものに疑問を抱いてしまって。それでやはり設計事務所をめざそうと思って、会社を辞めてデザインファームに入学しました。

【DF】
大学生の時に、アトリエへ就職するという選択肢はなかったのですか?

【後藤】
アトリエに対して憧れはあったのですが、周りにはずば抜けてできる人がいましたし、たまたま有名な事務所の激務を目の当たりにしたこともあって、自分には無理だなと最初から諦めていました。そもそもその頃、設計はただのお金を稼ぐツールといった位置づけで、あまり強い思い入れもなかったんです。
ただ、先ほどの話にもありましたが、実際に社会に出て設計業務をしてみて、「こんなことでいいのかな」という思いが強くなってきたのでやっぱり学び直そうと思いました。

【DF】
すぐに設計事務所へ転職せず、学び直そうと思ったのはなぜですか。

【後藤】
すぐに設計事務所へ転職できるだけの実力が伴っていなかったからです。
建築学科を出て、建築士の資格も取得しましたが、実際はぺーパードライバーみたいな感じでした。それでもう一度学び直そうと。
大学とは別の形で学べる学校を探していた時にデザインファームを見つけました。

お金ではない喜びややりがいを感じられるのがこの仕事の醍醐味です。

【DF】
デザインファームで2年間過ごしてみていかがでしたか?

【後藤】
図面の線の引き方から始まり、シーンを考えながら設計するという考え方も、しっくりくることが多かったです。奇抜なデザインや新しい提案よりも、自分の考えていることを聞いて評価してくれたのも良かったですね。

また、常にやる気のある人たちに囲まれている環境もデザインファームで学ぶことのメリットかなと思います。各々が、お互いに意識しあって負けたくないという気持ちがあるので、自分のモチベーションも維持できたし、もっとやり込もうという気持ちにさせてもらいました。同期とは今でも連絡を取りあっていて、仕事のことを相談したりもします。

実際の設計では、費用の面や技術的な部分で折り合いをつけないといけないところもたくさんありますので、その辺りは経験かなと思いますが、ベースとなる部分はデザインファームで学べたと思います。

【DF】
設計事務所への就職活動はどのように行ったのでしょうか。

【後藤】
デザインファームに通っている時から、いくつかの設計事務所にオープンデスク等でお邪魔していました。その中で声をかけてもらった設計事務所にそのまま就職したので、いろいろなところに顔を出していたことが僕にとっては就職活動だったのかもしれません。

【DF】
以前はそれほど思い入れはなかったとおっしゃっていましたが、今は「設計」に対してどのような思いをお持ちですか。

【後藤】
ただお金を稼ぐためのツールだったものが、今はそれがないと生活が成り立たないくらい好きで、自分の人生の軸になっています。アトリエの仕事に就いて、それくらい設計が好きになりました。

とにかくお施主さんの喜び方が違うんです。
アトリエに就職して一番最初に引き渡したお施主さんは、家ができてから険悪だった家族関係が修復された、と言って食事に招いてくださいました。その時はとても嬉しかったです。次に担当したお施主さんも引き渡しの時に握手をしてくださったり、ダイレクトに喜びが伝わるんです。注いだ分だけ跳ね返ってくるというか、それが欲しくてこの仕事を続けていると言っても過言ではありません。お金ではない喜びややりがいを感じられるのがこの仕事の醍醐味です。

【DF】
素敵な仕事ですね。
最後に、今後の目標と後輩達へメッセージをお願いします!

【後藤】
将来は、独立して自分の事務所を持てたらと思っています。

後輩達へ伝えたいことは、学生の間にとにかくたくさんの人に会って話を聞いてください、ということです。いろいろな人の思想に触れることで、自分が何を大事にしているかということを見極める材料になります。

もし人と話すのが苦手だったとしても、学生のうちに習慣づけておくことです。プロになってしまうと体裁もあって気軽に聞けないこともありますし。学生だから聞けることがたくさんあるし、相手も「学生さんだから」ということで話してくれることが多々あります。学生という立場を利用して、たくさんの建築家やプロの人の話を聞いてください。
今後の自分に役立つと思います。

2018年10月取材