
デザインファームトップ > コラム・建築家のための戦略&マーケティング > vol.1「あなたの強み」は何?「理想のお客さま(ターゲット)」は、どんな人?
コラム・建築家のための戦略&マーケティング
設計事務所での勤務で実務経験を積み、建築士免許も取得して、親戚や友人から声がかかりいよいよ独立!そして記念すべき最初のプロジェクト(住宅がほとんどですね)が完成したら、その後は・・・?
そうです。自分で仕事をとってこなくてはなりません。
仕事をとるには何をしたらいいか?多くの建築家、共通の悩みだと思います。
あなたは今、どんなことをしているでしょうか。
友人知人、親戚にDMを送る。年賀状や暑中見舞いで最新作をアピールする。ホームページを作る、またはリニューアル。ブログのランキングに参加する。興味を持った人に差し上げるポートフォリオを作成。プロデュース会社に登録する。twitterやfacebookで発信する。思い切ってどこかに広告を出してみる。メルマガを発行する。
金銭的に余裕があればSEO対策やネット広告など、すでにいろんなことをやっている人もいるでしょう。
具体的にはいろいろありますが、これらはすべて単なる打ち手。
真っ先に重要なことは、「自分の強み」は何か? 、「理想のお客さま(ターゲット)」はどんな人か?です。
建築家って、自分が設計した建物についてはそのコンセプトや大事にしたこと、伝えたいメッセージなど、語ってくださいといわれたらもう一晩中でも語れるくらい、たくさん持っていますよね。クライアントと一緒に育ててきたプロジェクトはまるで我が子のようで、思い入れがたくさんあります。
では、自分の売りは?自分自身の強みは?
「他の建築家ではなく、あなたに設計してほしいんです!」と、お客さまに選んでもらうその理由は?
考えたことはあっても何となくで終わっていたり、「自分はこれだ!」と結論づけるところまで至っていないのではないでしょうか。(もしかして考えたことがない人もいます?)
設計についてはとことんどこまでも考えるのに、です。
例えば、竣工したばかりの最新作をホームページに載せるとき。竣工写真ってたくさん撮りますね。プロのカメラマンの方に撮っていただくケースも多いでしょう。どの写真も設計のこだわりが写っていて、できればたくさん見てほしい。
ではその中で、最初に見せるべき写真はどれでしょうか?
トップページを飾る写真、ホームページに訪れた人が最初に目にする写真・・・どんな基準で選びますか?ここで選択を間違えると、せっかく来てくれた人もすぐに帰ってしまいます。
人はぱっと見た瞬間に「違うな。」と感じたら、即座に帰るものです。その時間はわずか数秒。もう少していねいにいうと、そのわずか数秒の間に 「この建築家は自分の持っている欲求(ニーズ)に応えてくれそうもないな。」と判断したら、即、他の選択肢(自分の欲求を満たしてくれそうな他の建築家=競合)を探しに行ってしまう、ということです。
だから最初に見てもらうべき写真はとても重要。さて、どれを選びますか?
コンセプトを表現しているきれいな写真?開口部のバランスを考え抜いたかっこいい外観?
家族が楽しそうに過ごしているリビングの風景?
残念ですがどれも正解とはいえません。
写真を選ぶ基準は“自分の理想とするお客さまに対して、強みを表現できているかどうか”です。
“あなたの強み”って、何ですか?
そして“あなたの強み”を一番理解してくれる“理想のお客さま(ターゲット)”は、どんな人でしょうか?
また最近では、プロデュース会社に登録したり、地域の建築家が集まって活動するなどのケースも増えていますね。
そこに来たお客さまは当然、家を建てたいから誰かいい建築家はいないかなと、探しに来ているわけです。
そのお客さまに「この中の他の建築家(競合)ではなく、あなたに設計してほしいんです!」と選んでもらうには、他の建築家(競合)にはない“あなたの強み”をせっかく来てくれた“理想のお客さま(ターゲット)”にアピールできているかどうか・・・すべてはここにかかっています。
仕事をとるためにするべきことはたくさんありますが、もっとも重要で最初にするべきことが、“自分の強み”と自分の強みを理解してくれる“理想のお客さま(ターゲット)”をセットで考えることです。
ここが明確になっていないと、広告とかDMとかホームページのリニューアルとか、もうどんな手を打っても空回り。
こんなに頑張っているのにどうして伝わらないんだ!?・・・って状態になります。
あらためてホームページやブログ、プロデュース会社の登録情報などを見てみましょう。
“あなたの強み”が、あなたのことを探している“理想のお客さま(ターゲット)”に伝わる内容になっていますか?
すでに「家を建てるのに建築家に頼もう」ということが特別ではない時代になっています。
今日もどこかで理想のお客さまが、あなたのことを探していますよ。