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特集・建築家になるには

vol.4 設計事務所に転職するには建築士の資格が必要?

設計事務所に転職、就職したいと思った時、「まずは一級建築士や二級建築士の資格が必要!」と思われる方が多いようです。そして、建築士の資格を取得するには、大学等の建築学科を卒業しているか、所定の実務経験を積んでいる必要がありますので、未経験では建築設計の仕事には就けないと思われがちです。

しかし、設計事務所に転職・就職するためには、本当に建築士の資格が重要視されているのでしょうか?
創立から30年以上、卒業生を建築未経験から有名設計事務所へ送り出し続けてきたデザインファーム建築設計スタジオが、設計事務所への転職・就職に関する建築士の資格について、本当のところをお伝えします。

そもそも、建築士の資格を取ると何ができるようになる?

建築士の資格を取得すると、建物の設計、監理等を業とする建築士事務所を開設できるようになります。

一定の規模以上の建物の設計、監理等を報酬をもらって行う場合、所定の届出を提出する必要があります。いわゆる「確認申請」というものです。そして、確認申請に必要な書類は、各都道府県で建築士事務所登録がされている設計事務所でないと作成ができません。

建築士事務所登録をするためには、建築士として3年以上の設計等の業務実績があり、その上で管理建築士講習を受けた「管理建築士」を1名置くことが義務づけられています。

一級建築士、二級建築士の資格は、建築士事務所登録に必要な「管理建築士」になるための資格とも言えます。

ちなみに、一級建築士と二級建築士の違いは、設計できる建物の規模の違いです。建物の構造に限らず、二級建築士なら個人住宅程度、一級建築士なら大きなビルの設計までできるということになります。わかりやすく自動車の免許に例えると、二級建築士は普通免許、一級建築士は大型免許といったところです。

建築士の資格を取得することで設計事務所を開設できることがわかりました。では、すでに建築士登録された設計事務所で、スタッフとして建築設計の業務を行う場合はどうでしょうか。

設計事務所での設計業務に資格の有無は関係ない!

建築士事務所に必要な「管理建築士」ですが、事務所内に何人も居る必要はありません。管理建築士は1名いれば良いのです。確認申請に必要な書類は、最終的には建築士登録された事務所の名義で提出されるものです。そのほかの設計業務を行うスタッフに資格を求められることはありません。すでに建築士事務所に登録されている設計事務所では、建築士の資格は必要ないということです。

では、求人票に「要資格」とある場合は?
それは、「最低限の建築の知識(専門用語など)は知っていてほしい」という意味で書かれている場合、または「名刺に肩書きとしてほしい」という営業的な意味がある場合がほとんどです。
建築デザイン(意匠建築)を専門とする設計事務所、特に建築家が主宰するアトリエと呼ばれる設計事務所ではこのようなことはまずありません。

建築士という資格は「自分で設計事務所を開設できる免許」なんです。同じ資格でも、医師免許、看護師免許、また建築に近い業種だと宅地建物取引士(宅建)などは、資格の有無によって業務の範囲に制限があります。しかし、建築士は、業務そのものに制限が出る資格ではないということです。しつこいようですが、建築デザインを専門とする意匠設計事務所への転職・就職には、資格は必要ないのです。

建築設計事務所における管理建築士

設計事務所への就職。資格が必要ないなら、何が必要?

建築デザイン(意匠設計)を専門とする設計事務所への転職・就職に、建築士の資格は必要ない。と断言しましたが、さて、では設計事務所というものは建築未経験でもすぐに就職できてしまう世界なのでしょうか・・・。いえ、そんなに甘い世界ではありません。

資格が必要ないのなら何が必要か。
設計事務所へ転職・就職するために一番必要とされるのは、「設計事務所ですぐに仕事ができる実務的な能力」です。
アトリエ系設計事務所は、規模が小さいことが多く、スタッフの数は数名から多くても10数名程度。一般企業のように研修期間や新人に一から仕事を教える余裕はありません。ですから、すぐに仕事ができる、または少し説明すれば分かる、そういった人材が重宝されます。

まずは、設計の実務に必要な知識や技術を身につける。資格はそれからでも大丈夫。

建築士の資格は、自分で設計事務所を開設して独立する時までに取得すれば大丈夫です。建築未経験から、設計事務所へ転職・就職を目指すのであれば、まずは設計の実務に必要な知識や技術を学校などで身につけることから始めてみましょう。
そして将来独立をめざすのであれば、資格だけではなく、建築家として仕事をしていくために必要なスキルを身につけ、建築家としての考え方が確立できるような就職先を見つけ、スタッフとしての実務経験を積んでいきましょう。

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