コラム「建築家のための戦略&マーケティング」

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vol7. 伝わらなければ意味がない!効果的なメッセージとは?その2

効果的なメッセージのコツは、「お客さまの言葉で表現する」「お客さまにとって嬉しいことを表現する」と、 前回の記事で紹介しました。
でもこれは本当に難しいんです。あなたの設計する住宅が、“理想のお客さま(ターゲット)”にとってどう嬉しいのか
をそのお客さまの言葉で表現すると・・・?
なかなか簡単には出てこないと思います。

難しいなと思ったら、少し建築から離れて周りの世界を見渡してみてください。
あなたがお客さまになるケースでなら、自分にとってどう嬉しいか、それを自分の言葉で表現したらどうなるのかが見えてきます。


◆実例紹介
◎資生堂エリクシールのメイク下地 「デーケアレボリューション」
メッセージ:「夕方まで、きれいが続く」 「夕方、余裕~♪」
http://www.shiseido.co.jp/elixir/recommend01.html (別ウィンドウが開きます)

前回はファンデーションでしたが、今度はその前に塗るメイク下地です。建築でいうと、ファンデーションが塗装で、 メイク下地は塗装をきれいに仕上げるための下地処理にあたります。 朝きれいにメイクしても、時間とともに皮脂や汗でどうしても崩れてくるので、夕方の退社時間には化粧直しをする というのが多くの働く女性の習慣ですが、これがけっこうめんどくさい。
仕事が終わるとネイルサロンや自分磨きの習い事、デートに女子会と、忙しいからカンタンにすませたいけど、 疲れた顔に見られるのは嫌だ・・・。

そんなニーズに応えたのがこのメイク下地。
時間がたっても崩れにくいので、夕方になっても肌はきれいなまま。だから慌てて化粧直しをしなくても大丈夫ですよと、 忙しい女性たちにアピールしているんですね。

製品について、本当はもっと伝えたいことがたくさんあったと思います。なんとかいう成分(たぶんカタカナ)を何%配合したとか、 成分の粒子がどうしたとか、そもそも肌をきれいに見せるには光の乱反射がどうのこうの、 だから屈折率が・・・と、 言いたいことが山ほどあるのを後回しにして、お客さまにとってどう嬉しいのかを、女優竹内結子さんの 「夕方、余裕~♪」で表現したわけです。


他にもお客さまにとってどう嬉しいのかをそのままお客さまの言葉で表現したメッセージはたくさんあります。

◎英会話
ターゲット:勉強したいけど忙しくて英会話教室に通えない、それでもなんとか身につけたいと思っている人
メッセージ:「聞き流すだけで英語が身につく!」

◎風邪薬
ターゲット:休みたいけど休めない、だからって昼用の風邪薬なんていちいち会社に持って行かないビジネスマン
メッセージ:「朝と夜だけ飲めば効く」

◎健康器具
ターゲット:痩せたいけどダイエットはしたくない、忙しくて時間もないし、そもそも運動が好きではない人
メッセージ:「たったの15分!2週間でウエストがマイナス10センチ」

◎医療保険
ターゲット:今の保険だけでは不安、でも持病があるので保険に入るのをためらっている人
メッセージ:「持病があっても入れます」

いかがでしょうか。具体的な商品名は省略させていただきましたが、どれも身近な商品やサービスですよね。



もうひとつ、今度はちょっと変化球で、お客さまのニーズをそのままメッセージにした例を紹介します。

◆実例紹介
◎日高屋
メッセージ:「ハンバーガー、牛丼、明日は日高屋!」
http://hidakaya.hiday.co.jp/ (別ウィンドウが開きます)

首都圏を中心にチェーン展開している飲食店「日高屋」のメッセージです。
安く手早く食事を済ませたいビジネスマンの「今日(のお昼)は何にしようかなあ、牛丼は飽きたし、またマック?・・・ うーん、それもなんだかなあ。」というつぶやきに応えたのがこのメッセージ。
「ああ、そっか、日高屋もあったな。」と思い出しますよね。

“理想のお客さま(ターゲット)”を明確にしているからこそ、出てきたメッセージだと思います。
美しい言葉でも芸術的でもありません(日高屋さん、ごめんなさい)が、安く手早くお昼を済ませたいニーズを持ち マクドナルドや吉野家に行く人には、確実に刺さります。

よく「お客さまの立場で考えよう」「お客さま目線で」とか、 人間関係では「相手の立場で」「相手の気持ちになって」とか、聞きますよね。
「お客さま(相手)の目線(立場)で」というのは、正面からではなく、お客さま(相手)の隣にぴったりと寄り添って 相手が見ているものを、(実際には見えないので)一生懸命見ようとすることではないでしょうか。 そうすることで、お客さまのニーズ(相手の気持ち)が見えてきて、ようやくどう嬉しいのかが理解できるのではないか と私は思います。


“理想のお客さま(ターゲット)”にとってどう嬉しいのかをそのお客さまの言葉で表現する、それはつまり、 お客さまがあなたを選んでくれる理由=“あなたの強み”をそのまま表現するということです。
とても単純ですが、これこそがメッセージの本質なんですね。